treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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(1/3)ちょっと安いNAS=RAID5、アリ?

バックアップデータの保管用途ならRAID5もあり?と思ったとき、頭の中で考えたことをご報告します。
使いやすい価格帯のRAID対応NASはRAID1かRAID5が多い、と言う点を踏まえて、RAID5だから避けるってわけにもいかないかなぁと思ったときに考えたことです。

主に売れ筋の安価なNASでソフトウェアRAIDやハードウェアRAIDだけど俗にいうFakeRAID(BIOS RAID)のようなRAIDコントローラを別途用意しないNASでのRAID5についての話です。
※FakeRAIDと呼ばれるRAIDはハードウェアRAIDのようなソフトウェアRAIDという認識なので、ソフトウェアRAIDと考えてよさそう。

RAID5のNASで検討事項があって、考えたことと何に注意しなきゃいけないかを主に自分用に書き出した内容が続きます。

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アリな場合

安いNAS(もちろんSATAのHDD)を検討していて、その検討中のNASはRAID5しか対応していない、ってなわけでRAID対応のNASを使おうかと思っているのですが、そのRAID5以前はあまり肯定的ではありませんでした。

blog.treedown.net

家で使うならRAID1がいいんじゃないか?という論調でした。
いまでもこれは個人的持論として大きく外れてないと思っています。障害対処を考えればやっぱ家庭用はデータ保護の面から考えてもRIAD1がベストだと思っています。

でもRAID1はアクセススピードも単一ドライブと同じになりますし、容量はHDD二台購入して一台分の容量しか使えません。使用可能容量50%となります。RAID5より良いと思っているRAID10も最低四台のHDDが必要ですが、容量はRAID1同様使用可能容量50%となります。

でもRAID5は一般的に売られているNASのうち、HDD×三台なら66%は使用可能容量となりますし、HDD×四台なら75%は利用できます。

こういうメリット面から契約先で既にRAID5のNASが導入されていた場合、「私、RAID5は専門外でして…。」と言うわけにはいきません。RAID5に向き合って運用管理をする必要が出てきます。

データ保管用のNASを24時間動作しっぱなしで設置するなら最終的にはコストが安くて選択肢も多いRAID5のNASというのは一つの選択肢としては有力なのかなぁと思いました。
あくまで、平常稼働時、障害発生を考慮しなければRAID5のNASって製品が選択されているケースも多いのでやっぱ主流なのかなぁと。

RAID5の予備知識

RAID5の基本、「パリティ付きストライプ」ってのを特徴としておさえておきましょう。一般的にRAID5の特徴として言われることです。
RAID5ではデータを保護するための冗長化としてパリティ計算という処理をして、パリティという余分なデータを保有することで、ディスクの故障に備える技術です。
このため、読み込み速度はRAID0と同様、書き込み速度はパリティ計算分だけ若干速度が遅くなります。

パリティ付きストライプのRAID5では全HDDのうち一台に障害が発生すると、他のディスクに書き込まれたパリティ情報が読み込みを開始、故障して読みだせなくなったディスクのデータを無事な三台のディスクに残されたパリティ情報から読みだして補完します。
パリティ情報をいちいち読み出す必要があるので、そのパリティ情報の読み出しに必要になる処理が余分にかかるため速度や処理の低下が発生します。
この時点ではデータ利用はまだ大丈夫、ですが次のディスク(つまり二台目のディスク)に障害が起きてしまうと、RAID5で構成されたディスク全体が使えなくなりデータ消失となります。

一台で障害が起きたら、すぐ交換、
交換するまでの間は使わないか、あるいはパリティ情報で読み出しできる状況のうちに別のディスクに早急にバックアップを取得する、ということが望ましいとされています。

ここまで踏まえ…

ここまでのRAID5の特徴を踏まえてRAID5の機器を導入したときに気にしたいこと=主に障害時の対処がメインの話、が次回に続きます。