テープデバイスってご存知でしょうか?
昔で言えばカセットテープやビデオテープ、最近でいればLTOなどが有名なところです。
今日はこのテープデバイスについてご報告します。テープドライブと磁気テープを買うときにオススメしたいたった1点です。ボルシルラベルって便利だよ、という話です。
10年前であれば、「バックアップと言えばテープバックアップ」というくらいバックアップメディアとしてはメジャーな存在でしたが最近ではすっかり影が薄くなってしまっています。
ですが、テープドライブとテープカートリッジは現代においてもバックアップストレージとしては最良の選択肢になれるだけのポテンシャルを持っています。ただレガシ過ぎて宣伝はされていませんが。
テープのすごい所
テープがすごいのは、他の記憶媒体に比べて圧倒的にデータ保持期間が長い、という点です。そして、何十年という歴史があるのでいわば"枯れた技術"といえます。それゆえの圧倒的な安定性です。
機械的に壊れるのは多少仕方ない一面はありますが壊れない前提で記憶されたデータの保存期間を考えたときに、
テープのデータ保存期間はHDDの倍くらいはあると考えてOKです。
HDDはDVDやSSDの1.5倍くらいのデータ保存期間が巷では想定されて設計されていますから光学メディアと比べると三倍くらいの長期間にわたって記憶したデータを保存しておくことができます。
保存、という観点では光学メディアは5年おきにデータを新しいメディアに焼き直してメディアというデータの入れ物を新しくしておく、という運用が推奨されています。(昔のCDやDVDなんぞもそうらしいです。私はやっていませんが)
これをざっくり15年くらいテープにデータ放り込んだままでほっといても、15年後にテープドライブさえあればデータを読み出すことが可能、というのがテープメディアの強みです。(ドライブがあるのか?という不安はありますが)
SSDなどはこれくらい長期間放置されていたら、とっくにデータは揮発してしまうでしょうね。
テープのアカン所
テープは、遅いです。とにかく遅い。
基本情報処理などを勉強された方は分かるかもしれませんが、順編成ファイルと直接編成ファイル、という二種類があったのは覚えていませんか?シーケンシャルアクセスとランダムアクセス、ってやつです。
テープは順編成=シーケンシャルアクセスです。前から順番にデータを読んでいかないと目的のデータにたどり着けません。
でもHDDのようなランダムアクセスが可能なストレージでは欲しいデータを直接参照することで高速なデータアクセスが可能です。現代におけるこれの究極がSSDですね。
とにかく目的のデータを取り出すためのロード時間が長いです。10kBの1ファイル取り出すだけでもテープの最初から読みだして目的のデータに到着するまでひたすらテープはリードを継続します。
バックアップだと所詮は丸ごとデータ取得なので、それほど問題にはならないのですが、やはりデータをいざ取り出そうとすると遅いのでリストアするのも一苦労だったりします。これがテープがアカン所です。
テープデバイスを買うときに注意したいこと
テープデバイスって、バーコード管理ができるのはご存知でしょうか。
ボルシルラベルっていいます。
テープ一本づつバーコードで一意に管理できるバーコードなんですが、これがあるとないとで、結構管理のしやすさが変わってくることがあります。
昨今ではテープドライブもオートローダーモジュール内蔵のテープドライブで複数のテープをドライブに自動マウントするようになっていますが、このオートローダーにまとめてテープをセットしてしまうと、バックアップに利用しているテープのペアが分からなくなることがよくあります。テープを見失ってしまうんですね。
ここでボルシルラベルで連番で1セットをまとめてバックアップ用のペアにしておくことによって0001~0005はファイルサーバ用、0006~0008はデータベース用、という具合にテープを管理することができます。交換もこのボルシルラベルを頼りに交換が可能になります。
昔はインベントリやカタログ化しないとこのテープは何が記憶されているかさっぱりわからなかったものですが、ボルシルラベルを使うようになってからはこの辺の管理がバックアップソフト(BackupexecやArcServ)で一括管理できるようになったので便利になりました。
過去のIT事情に比べて容量単価のメリットがなくなったとはいえ、テープメディアは保存メディアとしてはまだまだ現役です。活用の余地があります。
もしこれからテープドライブ(特にオートローダータイプ)を購入検討されているようでしたら、ボルシルラベルが扱えるかどうか、という点は着目されることをお勧めしたいです。