treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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買い物:LenovoPCを検討中の方へちょっと聞いてほしい

今日は2点ご報告をします。

  • Lenovo保守で修理の実施した結果
  • Lenovoサポートの評判が良い・悪いで真っ二つの理由考察

目的は「ThinkPadを買ってよかった」にするための知識を提供することです。

考えている対象

この記事が役に立つと思われる読者は…

  • これからLenovoのPCを買おうと思っている方
  • ThinkPadの修理サポートについて知りたい方
  • 延長保守サービスの購入を迷っている方

こんなところですか。
あとは、多少コンシューマよりはビジネス寄りの視点で書いています。
なので、ThinkPadを使う企業のシステム部門PC担当者や個人事業主/SOHOでThinkPadを使って仕事をしている方、にフィットする内容です。

きっかけ・何があったか

この間Lenovoサポート(※)を使って、突然起動しなくなったPCを修理に出しました。
 ※現在「Lenovo Service」という名称の保守修理サポートサービスです。
症状としては、使用中に突然電源が落ち、それ以降2度と起動しなくなりました。
いわゆる電源が入りませんという状況です。しかも遠距離の出先。
しばらく使えませんで不便はありましたが、どうにか代替機を用意して修理に出すことになりました。
問題の切り分けとして、ACアダプタを交換して電源ON確認⇒起動せず、バッテリを外し電源ボタンを十数秒長押ししての放電実施、いずれも実施しましたが電源が入らないので、内部部品の故障はほぼ確定的です。
購入年は2012年で購入時に追加投資として「ThinkPad 4年間 引取り修理サービス (1年保証モデル向け)」を2万数千円也を追加して購入しただけあって、マーフィーの法則なのか丸3年以上故障とは全くの無縁で稼働していました。(初めての故障です。)
期限切れの前に故障したのは不幸中の幸い、さっそくスマートセンターに電話で修理を申し入れます。
シリアル番号の確認⇒症状の説明⇒回収の手配⇒内容の説明、と続き回収。
後日電話が入り、修理の説明がありました。

  • 無償範囲内:システムボード/DCインサブカードの破損
  • 有償の範囲:アッパーケース(外装)トラックパッド左のひび割れ

「有償の範囲、直しますか?」と聞かれたのでついでにお願いすることにしました。

流れ

  1. 見積書:到着から1週間で可否を連絡する
  2. 見積書同封の書面で返信が必要(FAXまたは郵送)
    ※領収書が必要であれば郵送書面にあるお問い合わせ先にてその意思を伝える
  3. この後、追加料金の振込で修理開始

修理状況はLenovoのサイト上で確認できます。(2015年9月現在)
Lenovoホームページのサポートホーム⇒修理状況の確認⇒eService(緑ボタン)⇒Lenovo eService ポータルをご利用いただきありがとうございます。画面⇒サービスリクエストの確認画面を開く。
このサービスリクエストの確認画面で

  •  サービスリクエスト番号:(修理依頼の電話で教えてもらえる)
  •  シリアル番号:(PC本体のシリアル番号、修理に出す前に控えておきましょう)

を入力すると、現在の修理状況(途中経過)を見ることができます。
これを見ながら首を長くして待っていると、修理完了し配送されてきました。

到着、しかし…

さっそく代替機からデータ移行を始めようかとセットアップしていると、


あれ?



キーボード壊れとる…。
正確にはトラックポイント用の右クリックボタンがつぶれているのです。
がっくし。

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一見無事なのですが…

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図:キーボードの右クリックからつぶれている之図。(取り外して横から撮影)

つぶれているので、右クリックは反応はしますけどクリック後の反発がありません。

またしても電話

また電話か…やむなし。さっそく電話しました。

もしもし、修理から戻ってきたPCキーボード部品が壊れていますけどね。どうしたらいいですかね?
質問に質問が返ってきた。

「お客様で、キーボード交換は可能ですか?」

ああ、キーボード交換ね、何回もやってますとも。それがどうしました?

「こちらから当該機器のキーボードを発送しますので、ご自身で交換を選択されますか?引き取り修理も可能ですが、いかがしましょうか?」

むむっ!これはIBM時代から伝統のCRUサービス。Lenovoでもやっているのか。と遠い目になってIBM時代を思い出します。
おっとっと、電話中でした。ではそのCRUでお願いします、と回答します。

「在庫次第ですが1-2営業日内に同等品を発送します。部品メーカーが異なることはありますが使えないキーボードが届くということはありません。手元のキーボードは回収しないので適宜破棄をお願いします。」

要するにChiconyかNMBかアルプスのどれかです、と仰っています。
続けてパーツ発送の受付番号を伝聞し、電話を切りました。

しばらく経って…

2・3日経過し、パーツが届けられました。FRU番号も同じなので、同じメーカの在庫があったんですね。
システムボードやCPU、GPUなどは交換が大変なので引き取りをお願いするほうが無難ですが、
さっそく交換し、動作確認、アクシデントによって(キーボード分)予定より遅れましたがPCは元通り復旧しました。

この一連の修理に対するLenovoの対処・応対は個人的に申し分ないものでした。
いやむしろ満足度が上がったほどです。
修理したら別のところが壊れて戻ってきたのに満足度が上がる、人間の心理とは不思議なものです。

でも評判はあまり良くない?

この修理の一連の流れを依頼する前に、Lenovoサポートは最近どうなんだろう、とちょっと巷の評判をみてみたのですが、いいも悪いも意見は真っ二つ、ややLenovoPCのサポートが悪い、という情報の方が検索上位に多いかな、という感覚でした。
この検索結果のせいで、ちょっと恐る恐る警戒しながらの修理サポート依頼になってしまったのですが、結果としてはあまり警戒する必要はありませんでした。
では、なにゆえこんなにも意見が真っ二つに分かれているのか、ちょっと注意深く見てみました。

Lenovoというメーカの製品は2種類の製品の流れがあります。

  1. 日本で設計し、本国(一部日本)製造・組み立て、販売するシリーズ
  2. 本国の本社で設計から製造組み立てまでの一気通貫で販売するシリーズ

「1」が大部分のThinkPadシリーズで「2」がLenovo 3000やIdeaPad、Lenovo Gシリーズ、といったThinkではないシリーズに加え一部のThinkPadです。
で、ですね。
完全に主観ですが、悪い評価をネット上で指摘なさっている御仁は「2」の製品を買っているユーザが多数派のように見受けられます。
繰り返しますが、これは完全に主観ですからこの点はご了承ください。

昔Lenovoのカタログでみましたが、ThinkPadのRシリーズ、Tシリーズ、Xシリーズ、Wシリーズ、といった伝統モデルは有名な大和研究所の設計モデルです。で、おなじThinkPadでも廉価モデルのSLシリーズはLenovo3000をベースにThinkPadを開発している、という記載をみたことがあります。(現代のシリーズ(LとかEとか)はちょっと分かりませんが)
最近ではNECと合弁会社になってから日本国内に製造工場を移して競合のHPが標榜する「東京生産」に対抗したかのような「米沢生産モデル」という売り方にシフトしてきています。納期短縮や流通コストの削減を狙った国内生産拠点開設、というニュースを見たことがあります。一時期品質劣化がネット上で喧伝されていたことがありますので、実際に歩留まりが良くなかったんですかね。
今回修理に出したPCは米沢に生産拠点が開設される前の2012年に購入したのですが、納品まで1か月超を要していました。サイトで進捗状況が閲覧できるのですが、組み立て中と輸送中でかなり長く進捗が止まっていた記憶があります。
製品を購入するのにそんな会社の内部事情なんか知ったことではない、と断ずるのも簡単な話です。でも今ここを読んだ(読んでしまった?)のですから、このカラクリは情報として知ってしまったわけです。
「少しでも満足度が高い買い物をしたい。」とか「どうせ買うのなら少しでもいい製品を買いたい。」という考え方に共感ができるようでしたら、こういった情報にも着目して選定してみるのはいかがでしょうか?

ちなみに今回交換した部品はアッパーケース(COVER)(04W0607)、システムボード(PLANAR)(04W6527)、DC-INサブカード(ELEC PARTS)(04W1699)の3点です。※キーボードはメモをし忘れました。
大多数のThinkPadはそもそも保守マニュアルが公開されているように分解・修理を容易にすることを設計の要素として導入している特徴があります。なので部品さえ調達できれば、あとはドライバーでPCを分解するスキルを鍛えるだけでメーカでなくても修理可能です。しかも、ユーザ自らが部品交換することを保守サービスの保証対象としているのです。
例えば東芝DynaBookですとここを認めていません。トルクスネジで絞められた部分があって、トルクスネジを封印シールで覆い隠してあることもあります。(分解してから修理するとメーカが識別できるようにしている、ということです。)
同じパソコンメーカでも対極ですね。修理受付窓口にキーボード交換したことありますか?って聞かれるようなメーカにはお目に掛かれません。
私個人としては部品交換できるほうが都合がいいのでThinkPadを選んでいます。

これが、もしかすると、前出の分類「2」の製品だったら、私も修理応対や処理が悪い、という評価に翻っていたかもしれません。
分類「2」の製品は部品交換を容易にする、という設計思想は(おそらく)ありません。なので、もしかすると、修理⇒キーボード故障していた⇒も一回修理⇒ひたすら待つ、という流れになっていた可能性はあります。
PCを購入した2012年では既に廉価な製品は(今ほどではありませんが)いくつか出てはいたのですが、メインPCとなれるスペックが欲しかったので頑張ってちゃんとしたPCを購入しました。いま、実際に修理に直面し思うのは買うときに安さに目がくらんで妥協しなくてよかったと心から思います。
また、延長保証を4年つけてよかった、というのも心から思います。(3年では今回無償修理できなかった。)
同じ修理依頼をして不満が溜まった方、というのは、何か残念なところがあるんですよね。今回の私の体験とは違う点があるはずですから、その点が改善点、と言えます。

初期不良、というのも引きにくい製品と引きやすい製品がある、ということです。
いや、いいものをより安くという主旨は分かります。
でも、安いからにはわけがある、高いことにも理由がある、ということも商品の一面にあることをですね、ご理解いただければもっといい買い物ができると思います。

主観たっぷりのまとめ

私の主観的なThinkPadまとめとしては

  1. 日本設計/日本生産のThinkPad/ThinkPad Tabletを選択すると幸せになれるかも
  2. 保守サービスはクーポン適用範囲外で実費が掛かるのですが、購入時に同時購入しておいて損はないです。(実際に修理しなくても、これは安心という名の投資です。)
  3. 保守・修理についてもっと言えば、「拡張保守(拡張オプション)」を検討の価値があります。「アクシデント・ダメージ・プロテクション」なる通常保証外の範囲を加えた保守サービスです。実際こっちの守備範囲に該当する故障は日常利用では多いです。

私はフューチャーフォン(いわゆるガラケー)も肯定派なのですが、その理由が「日本人が日本人のことを思って作った製品は使いやすい」と思えるからです。そういった意味で日本設計のThinkPadは別の外国設計シリーズより選択肢としては有力になります。
水準の高い製品を選定することで、初期不良を引き当てる確率は抑えることが可能です。

PC購入予算の都合もあると思いますので、一概には当てはまりませんが、周辺機器で代替できる機能を内蔵せずに削減したとしても拡張保守は検討の価値があります。
特に個人事業主&SOHOの仕事でThinkPad購入を考えている方向けには、個人の分割払いとしてでも拡張保守までを入れて調達をお勧めします。自責他責を問わず自分の仕事環境がなくなってしまうと業務は停止、しかし誰も助けてはくれないです。転ばぬ先の杖です。
ちなみに個人の分割払いは金利0%(1%の場合もある)不定期キャンペーン時がベストです。

そしてこれらの傾向は、目に見えない上に時の流れによって移り変わる基準であることをご認識ください。これらは、あくまでも現在(2015年9月24日)の状況で、ということです。

また体験して初めて実感できることでもあります。
ぜひ、じっくりとご検討ください。