WSUSでWindows10大型アップデートの適用を配布したとき、つい参照してしまうバージョン欄、しかしこの欄に表示される数字はOSバージョンではない。という話をご報告です。
完全に勘違いしていました。
WSUSのこの部分
WSUSで対象のコンピュータのバージョンが確認できる欄がありますが、
この部分の表記について疑問に思ったことが今回の話です。
発端
ちょっと前の話になりますが、Windows10のバージョンが1809は11月10日に終了だし、その次の1903のサポートが12月8日に終了なので、1909へのバージョンアップを実施することになりました。
WSUSでWindows10のバージョンが確認出来るから適用状況も確認できるわぁ~と思っていたら、なんか様子が変。
例えばこの表記。
1909のビルド番号は「18363」、表示されているのは「18362」、この数字は1903じゃないか?
ちなみに、2004(20H1)は「18362」で、20H2(従来のバージョン表記で2009)は「19042」になります。
上記バージョン表記がWSUSでされるWindows10でwinverコマンドでバージョンを調べると、
ちゃんと1909になっていました。ビルドも18363.1198と表示されています。
しかしWSUSに表示されるバージョンは、1909が適用されていても「18362」表記される、これがよく分らなかった。
調べた
調べてみたら、WSUSで表示されている「バージョン」の欄に表記されている数字はどうやらOSバージョンではないらしいことが分りました。WSUSコンソール上でオペレーティングシステムという表記の隣にバージョンという表記があるからてっきりOSバージョンだと思っていたわけですが、これはOSバージョンではないらしいです。
正体はWindows Update Agentのバージョン表記、つまり、Windows10に存在するDLL(C:\Windows\System32\wuaueng.dll)のバージョンを表記しているようです。
さっそく
調べてみると、
確かに、Windows10の1909、OSビルド18363.1256と表記されているWindows10のバージョンでC:\Windows\System32\wuaueng.dllのファイルバージョンを確認すると、ファイルバージョンの欄に「10.0.18362.1171」というバージョンの表記がされていました。
WSUSのバージョン欄の表記と合致します。
つまり(一文でまとめると)、Windows10 1909が適用されたWindows10があると、WSUSで表記される「バージョン」欄には「10.0.18362.1171」と表記される、ということになります。これが正常な表示。
WSUSで1909を展開していながら、バージョン表記は「10.0.18362.xxxx」と表示されていかにも1903になっているような錯覚に陥っていましたが、どうやら正常に1909の展開ができていたようで一安心です。
ちなみに2004で確認してみる
1909の展開でこれまでのような疑問点に突き当たったのですが、その次のバージョン2004ではどのような表記になるのか、気になったので確認してみました。
さっそく手持ちの環境から2004のWindows10を引っ張り出して、C:\Windows\System32\wuaueng.dllのファイルバージョンを確認してみます。
このように、OSバージョン2004(OSビルド 19041.685)のWindows10のwuaueng.dllファイルバージョンは「10.0.19041.610」と表記されています。
ん?
と、いうことは、1909では一つ前の1903のビルド番号で表記されていたバージョン欄ですが、2004の表記はOSビルド19041に対して「10.0.19041.xxx」と表記されることになります。
まとめ
「WSUSで表示されるバージョン欄の情報は、OSのバージョンではなく、Windows Update エージェントのファイルバージョンが表示される」
これを忘れないようにしておきたいと思います。