Pentium4、一時代を彩ったCPU、2000年代前半ではどのデスクトップにも入っていたPentium4。
そんなPentium4でWindows10をインストールし、起動を確認する、という試みをご報告します。
インストールできるPentium4
実は大部分のPentium4はWindows10が入らない、と思っていました。確かにいくつかのPCで試した限りではインストール時にPAEチェックやNXビットのチェックなどで弾かれてしまい、インストーラが先に進まない、という状況に陥ります。
しかし、ある世代から上のPentium4で一部のモデルはWindows8.1なりWindows10がインストールできます。実用に耐えうるかどうかは別としてです。
そのある世代とはPrescott(プレスコット)のLGA775版以降の一部モデルではPAEやXD-bit対応などがされています。
ふとなにもやることがなくなっていた「ThinkCentre A52(8289-49J)」が転がって居ました。
結構前のモデル、WindowsはXPが標準搭載Service Pack 2の時代のPCです年代物。
プロセッサは「Pentium4 プロ セッサ 521」とあります。
クロックは2.80GHzではありますが、ハイパースレッド(Hyper-Threading Technology)対応の(当時なら)ちょっといいヤツ。
実はこれにWindows10がインストールできます。
早速動作確認のため評価版をダウンロードしてOSの動きを評価してみることにします。。
評価版のWindows10をダウンロード
Windows 10 Enterprise | TechNet Evaluation Center
URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/evaluate-windows-10-enterprise
今回は
「Windows 10 Enterprise LTSB 2016 | 32-bit ISO」
をダウンロードすることにしました。スペックが低い、新機能が追加されるCBやCBBには耐えられない、Pentium4のPCではストアアプリやMicrosoft Edgeなんかもどうせ使わないor使えないだろうし。
早速ISOを用意したら、インストールメディアを作成して、インストールしてみました。
※)ちなみに64ビット版のWindows10をインストールしようとISOを用意して試してみたら、インストーラの最初の起動時に再起動を繰り返してしまい、インストールはできませんでした。このPCでは64ビット版のWindows10はインストールできない、という結論に。
インストール完了。
対象PCである「ThinkCentre A52(8289-49J)」では、CPU以外のハードウェア構成としてメモリ2GB、HDDは80GBのSATA1.5Gbpsで動作しています。
とりあえず、LTSBとはいえWindows10がインストール完了し、システムのプロパティではプロセッサ欄に「Intel(R) Pentium(R)4 CPU 2.8GHz 2.79GHz」の表記が確認できます。
これを標準の状態としてWindows10がどれくらい動作するか見てみました。
起動直後は
結構CPUが回っています。
OS起動後から数分は落ち着くまで何もできません。しばらく待っていると…
落ち着いてくれます。
とはいえ、動作は基本的にもっさりしています。何をするにしてもキビキビ動くわけではありません。その割にはPentium4の消費電力は高いですし、このThinkCentreも最大186W、標準で61Wの電力消費があります。電気代を喰うわりにそれほど動作は快適ではありません。
Windows Updateを実行しようもんなら、CPU使用率は100%でへばりつき、他のことは何にもできなくなります。当然ですが、Windows10として常用するにはかなりつらいスペックということです。
しかし最低限インストールはできて、OSは動作する、ということまでは確認ができました。
雑学
実はCore iプロセッサとなった現在の世代でも細々とPentiumプロセッサは生き続けています。例えば「HP ProLiant MicroServer Gen8 サーバー」のモデルには、「インテル® Pentium® プロセッサー」搭載モデルが存在しています。
Pentiumプロセッサ、いまだ現役。優秀ですね。