仕事上、インフラ設計から形にすることが多いのですが、ネット上を探してもインフラ設計や運用管理に関するブログや記事を書いている人に出会えないことが多い。
(探し方が悪いだけ、という可能性もあるのですが。)
これがなぜかという理由は考えても分からないです。
結局環境依存だからなんでしょうか?
でもスジは必ずあるはず。だってオールインワンタイプのサーバやアプライアンスが世の中には商品化されているから、というのがその理由です。
考えてみた
ちょっと、中小企業ベースで考えてみましょう。
インフラに必要な要素は
- クライアント
- サーバ
- ネットワーク
サーバにもいくつかありますね。
- ドメインコントローラ
- ファイルサーバ(NAS)
- メールサーバ
- DBサーバ
…などなど
ここまで書いていまさら気づいてきたのですが、要求される条件や機能がインフラ設計時に変化するから世の中の人は記事にしたり情報として発信したりする価値を感じてない、ということなんですかね?
ということは、ある条件を一つ提示すると、それを自分の条件に合わせてカスタマイズするだけで済む(一種のテンプレートになるのではないか)と言う仮説にたどり着きました。
自分がクライアントPCに要求する条件
まずは自分が導入するときのベースでクライアントPCをどのように選定しているかを事例として改めて書出してみます。
(誰かの参考になるかもしれない。)
※ちなみにここで挙げる条件は家庭用PCの条件でなく、事業の用に供するPCを選定する時の条件です。なのでご家庭PCの条件には当てはまらない部分はあります。
必要な要件は?
- OS:Windows Professional(64bitEdition)がプレインストールされていること。
- プロセッサ(CPU):Intel vProテクノロジが搭載されたCPUであること。(≒IntelAMT対応CPUであること)
- セキュリティチップ(TPM)が搭載されていること。
- 汎用品のワイヤーロックが利用可能(な穴が筐体にあること)
- 搭載可能な最大メモリが(なるべく安価に)入手可能であること。
- ディスプレイ出力が縦900ドット以上あること。
- インターフェースポートにUSB(できれば3.0)が2ポート以上搭載されていること。
- インターフェースポートに外部ディスプレイ出力が内蔵で用意されていること。
- ギガビットイーサ対応有線LANポートが内蔵で用意されておりWoLで電源制御が可能なこと。
- 無線LANは802.11anに対応していること。
- 無線LANはIntelAMTでも利用可能であること。
- メーカー保証が3年以上の保証を提供していること
- 加えて拡張(天災・人災、に伴う)修理保証が本体価格の10%以内の価格でメーカー保証期間提供されていること。
- 本体価格の総計(保守保証除く)が20万円切る(未満である)こと。
- 購入の証明がきちんとできること。
あるとなおよい要件
- 搭載メモリ4GB以上(2015年6月19日現在)。
- 光学ドライブが内蔵されている。
- マイクロフォン/ヘッドフォンが利用可能。
- カメラが内蔵している。
- キーボードはFnキーを多用しない配列のキーボードであること。
- モバイル利用時に限る条件:バッテリー使用時間が3時間以上であること。
- PCメーカーがソフトウェアを極力インストールしていないこと。
- 変態規格や変態デバイスが少ないこと(メーカー独自規格のデバイスが少ない)こと。
- 新品かアウトレット品。
- Officeの有無と、付属するならPowerPointが使えるエディション化どうか
…なんか、いっぱいになりましたね。
詳しく解説します。
私自身が導入するPCに要求する要件を書き出すとこうなりました。(ナンデダロウ)
以下、簡単に解説です。
業務利用においてActive Directoryドメインに参加できることは、購入時点でなくても拡大していくうえでかならず必要になります。
複数のPCを利用する場合、KVMのような使い方もできるリモートデスクトップの存在が有効に機能します。
管理面でIntelAMTはリモート拠点のトラブルシューティングに非常に有用です。(別のソフトが必要になりますが)
セキュリティチップ(TPM)は今後のWindowsOSでは搭載が必須になる予定、というところと生体認証やBitlockerのようなデバイスの暗号化技術を使う場合には裏方で活躍してくれる技術です。
ワイヤーロックは地味ですが、盗難防止のために鍵付きの棚に毎日しまって出し入れするくらいなら数百円でワイヤーロック買って置きっぱなしのほうが楽でいいよね、という考え方からです。
最大メモリが安いかどうか、というのは単純な世代比較として、例えばいまならDDR2を買おうとするとDDR3の倍以上の価格になってしまいます。数年するとDDR3の価格はDDR4の倍以上の価格になっているんじゃないでしょうか?つまりそういうことです。
ディスプレイ出力については、主にノートPCの話になります。最近の流行りの安価なPCは縦768ドットという出力が多くみられますが、768ドットというのは正直私個人としては使いにくいのとアプリによっては正常に表示できないことがあるので900ドットは欲しいな、ということです。
インターフェースポートについてはUSB2ポートくらいとVGAかHDMI出力くらいは出先のプレゼンとかデータ交換に使うのに欲しいよねと思います。
ギガイーサについてはいまさら(無い方がめずらしい)ですけど、WoLは最近のPCでも「スリープ解除は可能だが電源ONはできない。」という機種があるので注意しています。(IntelAMTで代替はできますが)
※追記:最近では有線LANポート廃止のPCも増えてきています。ですがココはどうしても内蔵の有線LANポートは欲しいところです。
無線の802.11anは主に都市部で利用する場合、b/g/nが安定しないケースが多い時にanしか選択肢がない状況に陥ります。b/g/nは干渉で安定しない、という前提で利用するものだと認識しています。この無線LAN経由でIntelAMTにアクセスできるようになっていることで、AMT管理の通信が2重化できます。
メーカー保証が3年欲しいのはメーカー保証1年のPCにいい思い出がないからです。1年しか保証しないのはそれだけ品質に割り切りがあるからじゃないか?と思ってしまいます。逆にメーカー保証3年以上の製品は減価償却まで活躍してくれるPCがほとんどです。(例外もいますけど)
上と関連して、PCは人が使う以上ミスによる故障はつきものです。また3.11のような震災で重要なPCが使えなくなることもあります。PCが使えないと業務が滞るビジネスマンは多数派だと思いますので、購入時に(金額を上乗せすることで)この備えをしておく、というのは私にとっては普通の感覚です。(感覚ですので人によります。)
この辺のメーカー保証に関してはいちど購入したPCは長く使いたい、という思惑から手厚くするようなイメージです。世の中には使い捨ての方が合理的という考え方もありますから、私はそれを否定するものではありません。
本体価格が20万円切るといいのは、一括償却資産として取り扱えるからです。ただ私は個人事業主ですので20万円ではなく30万円がボーダーラインとなりますが、一般の企業の会計では20万円(?会社によって違うのかな?)ですよね。
また経費にするには「購入の証明がきちんとできること。」は重要です。どこから用立てたか怪しいものでは問題です。
自分個人としては必要性は低いのですが、小規模企業ではOfficeが付属するかどうかも注目ポイントで、かつPowerPointが使えるエディションかどうか(PersonalかHome&Businessか)も確認しますね。単体で買うよりは安価なことが多いですし、ユーザは購入業務のことなど意に介さずPowerPointを要求してきます(笑)。(でもAccessは単体かライセンスで買いますね。)
そろそろ読む人も飽きてきてるころですかね。
今日はこの辺でお暇します。
この内容が、どこかの情報システム担当の方のお役に立てば幸いです。