treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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サーバ室を作る時の3つのポイント

突然ですがサーバ室を作ったことはありますか?
これってまずめったにない経験だと思います。なにせサーバ室を新たに新設する、というイベントはきょうびなかなかお目に掛かりません。
今日はこのサーバ室を作る時におさえておきたいポイントについてご報告します。

3つのポイント

サーバ室を作る時に注意しなきゃいけないポイントを3つに分けました。

  1. 電源設備・電気容量
  2. 床の耐荷重
  3. エアフロー

これだけはっきりすれば最低限のことは決定させることができるはず。逆に言えば、この三点は真っ先におさえておきたいポイントと言えます。この三点からスタートするといってもイイかもしれません。(個人的にはそう思っています。)

電源設備・電気容量

これはもうとてもシンプル、商用電源としてのコンセントをどこにどれだけ出しますか?ということです。
サーバラックを設置する場所には商用電源が必要ですし、サーバ室内でPCを持ち込んで利用するのであればそのPCを利用する付近にコンセントが欲しい、といった具合です。
電源も一般的な家庭用の100V電源の場合もあれば、UPS用に200V電源をラックに直接出さなきゃいけない、ということもあります。しかも200V電源をハードワイヤでUPSに直結する必要があればUSPを運び込んだあとで200V電源となるハードワイヤの接続を接続しなきゃいけないのですが、これには電気工事士の資格が必要になります。ハードワイヤ=端子盤、ブレーカからの直結での接続、という意味合いです。
だいたい7500VA、10000VAといった容量の大きいUPSが該当し、電気工事士でないユーザからすると設置方法や電気工事の手続きが分からない、ということになりがちです。

接続の課題をクリアしたあとはラック毎に電気容量が足りるかどうか、という点も確認が必要です。サーバの最大の消費電力をベースにラック内の消費電力の最大値がUPSで賄えるかどうかと、UPSの最大消費電力が大元のブレーカからの給電で賄える容量になっているか、という二つのポイントをおさえる必要があります。

床の耐荷重

ラックにはサーバを何台も搭載します。24Uくらいの低いラックであればそれほど心配もいりませんが、高い42Uラックを選定してびっしりとサーバをマウントすることでそのラックは自重を含め1tになることもしばしば。その時に床の耐荷重が500kgだったり750kgだったりすると、耐荷重オーバーとなってしまいます。
耐荷重オーバーでもいきなり床が抜けるなどということはないので、ラックマウントした時にはそれほど気にならないかもしれませんが、何かの拍子にその1tが床に影響するかもしれません。地震とか。
床の耐荷重はビルのオーナーが定めていることが多いのでその耐荷重以上にラックにマウントしないように重量を計算する必要があります。場合によってはラックを一本追加購入してラック二本に分割することで耐荷重オーバーとならないよううまく分散させる必要性も出てきます。
特にサーバよりUPSの重量が半端ないのでこれをベースに決める、ということになるかもしれません。

エアフロー

ラックをどの位置にどの向きで配置するか、がエアフローを元に考えることになります。
ラックの背面に別のラックの全面が配置されると、「排気を吸気するサーバ」が誕生してしまい、ラックによって冷却効率に差が出ることになってしまいます。
サーバ室の冷房が排出する冷気の出口からまんべんなくすべてのサーバが同じ冷気を吸い込めるようにラックを配置する必要がありますので、ラック同士は並列に並んでいることが望ましいといえます。
じゃあ横並びでぴったりくっつければいいか、と思ったりもしますが、ラックは側面のパネルを外して配線をきれいにしたりPDUという電源装置を取り付けたりするように作られていることが多いため、横にぴったり別のラックを付けてしまうと側面のパネルが開けられないことになってしまいます。これはあまりうまくない、ということである程度離した距離で前面パネルや側面パネルと背面パネルを開けるために支障がないくらいの空間を用意する必要がある、ということになります。

この三点で

この三点で、電源とラックの置き場所がだいたい決めることができるので、ようやくサーバ毎にどう配置してどんな配線にするかを考えるステップに移れます。

サーバ室を作る時はまず大枠となる、サーバ室そのものの仕様とそれに合わせたラックを決めるところからやったほうが分かりやすい、と個人的には思っています。