今日は、新入社員時代に研修で悩んでいた時の会話、をご報告します。
時は五月、新入社員の方々にとっては、そろそろ入社直後の気分が変わってくる時期になるのではないでしょうか。特にゴールデンウイークが終わった後に次の祝日まで2カ月以上あり、淡々と月曜から金曜までを研修やOJTで過ごす方が多いと思います。
五月病にはご注意ください。
新入社員時代の会話
私の入社した会社では4月~6月までの三か月間は新入社員研修を実施していました。
ある日、研修がうまくいかないことで悩んでいた私は先輩社員と休憩時間に会話する機会がありました。
「なんか悩んでいるようだね?どうしたの?」
新入社員研修の雰囲気にどうも馴染めなかった私、率直にその悩みを相談しました。
「ああ~、いるよね。通学の延長で出勤しているような意識の新入社員、確かにいるんだよ。でもキミはそうじゃないから安心して(笑)」
しかし、今<Just Now>で悩んでいるわけで、どうしたもんかと、というのが悩みです。自分がそうじゃない、と言われてもそういう雰囲気になんか馴染めない自分が居る、というのが事実なのです。
「突然だけど、私の話をしましょうか。」
ん?先輩社員は唐突に話し始めました。
「私はね、前職で生産管理をやっていたんだけど、技術に携わる仕事をしたくてこの会社に入ったんだよね。」
なるほど。
この会話をしたとき、くだんの先輩社員は新入社員研修と社内ネットワーク/サーバ管理チームの兼務をされていました。
次のセリフに心の声が。
「君たちは技術ができて羨ましいよ。私の一日って、定時内はキミたち新入社員の管理をして定時後にようやく本来の社内システムに関わる業務に取り掛かれる、というスケジュールだから。そりゃあもう毎日帰宅は遅いよね。」
加えて、インフラ関連の作業をやりたくても日中にはどうしてもできない、という点を繰り返し挙げられました。やはり日中は新入社員の応対で掛かりっきりになってしまうそうです。
今だから分かることですが、技術のこと(作業)ってノッてきたところで一気に集中してやり切ると進みますよね。変に中断すると"あれ?どこまでやったっけ…?"となりかねない、人間の脳はON/OFFの切替が数秒単位でできるものじゃない、と実感しています。
それは大変ですね、と月並みなリアクションをした私に、笑顔で先輩社員はこう返してきました。
「私はね、技術は陳腐化するけど、若い今しかできない、と思っているんだよね。だから、正直言って自分では苦労しているとは思っていない節があって。だからシンドイこともあるけど、いまイロイロやってるんだよね。」
ようやく結論に至ります。
「要するにさ、新入社員であるキミたちはいまやるべきことをしっかりやったらいいんじゃないか、ってことだよ。今やるべきことは新入社員研修、でしょう?」
おっしゃる通りです。先輩社員はさらに続けます。
「周囲と馴染めない、といっても周囲と仲良くすることが社員研修の目的ではないから、深刻に考えなくていいと思うんだよね。とはいえ、会社内の人とうまくコミュニケーションするのも会社員として必要なスキルだから、訓練だと思って周囲とうまくやれるように工夫してみるのはどうだろうか?」
なるほど。と、思ったところで休憩時間が終わってしまいました。
私なりの解釈を
要するに"馴染めないという悩み"には"周囲と仲良くやる"という考え方が私の意識の中にあったのかもしれません。
あるいは、友人関係を構築する、というのに近い感覚を持っていた可能性もあります。当時の私に質問できるものならぜひ質問してみたいものです。
先輩社員からの助言は、会社では無理にべったりした関係を持たなくてもよいので適切な距離感で付き合っていく、これは会社員としては必要になるスキルの一つなので、ちょうど意識したこのタイミングで自分なりに工夫して"適度な距離感で会社の人と付き合う"という点をもうちょっと考えてみてはどうか?という提案と受け取っています。
一言で言ってしまえば「隣の芝生は青く見える」という一言に集約されてしまいます。この先輩社員は新入社員研修によって技術の習得に一日集中できる環境の我々新入社員が羨ましいと表現されていました。ただ当時新入社員だった私としては業務に就いている先輩社員が羨ましく見えた、ということなんじゃないかと思います。
新入社員研修に集中できる時期、というのは人生ではそうそう何回もあるわけではありませんので、それができるときに自分のできることを精一杯やっておいたほうがいいよ、という先人のアドバイス、ということでした。
最後に
この会話最後に、一つ重要なお言葉を頂戴していました。
「会社員って、周囲の社員をうまく動かせるように(コミュニケーションできるように)なる、という力も必要になってくるんだよ。"個を活かす"ってこと。」
私は未だにうまく説明はできないのですが、この言葉はずーっと響いています。
立場はどうあれ、同じ組織で働く社員同士が"個を活かす"という発想で組織に貢献できると組織に活力が生まれる、といったところでしょうか。
お勤めの組織が、個を活かす組織で自身の能力を存分に発揮できる会社だといいですね。