treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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信頼性モニターで隠れたエラーを調べてみる

以前に何度か使ったことのある信頼性モニターというWindows標準ツールについてご報告です。

使いドコロ

「なんか調子悪い。」「なんかエラーが出たけど画面は消した。」こういったつかみ所のないトラブルシューティングに遭遇してしまった場合、どこから手を付けていいのか困ったもんです。

この"なんか"を見つけ出すのに、よくやっていたのはイベントビューアを総当たりして発生しているエラーをしらみつぶしにチェックしていく手もありますが、なかなか時間も労力も必要です。イベントビューアに記録されているエラーログには動作に影響ないエラーと動作に影響しているエラーが混在していることもあり関係あるかないかの判断も一筋縄ではいかないことが多いです。
※それでも、イベントビューアを総点検はPCの状態を把握するのには悪くないとは思いますが。

イベントビューアをじっくり確認する時間は取れないけど、問題っぽい事象がざっくり一覧表示されないものか、そんなときにもしかしたら役に立つかもしれないツール、Windows OS標準の信頼性モニターでエラーが見えるかもしれません。

あやふやな人間の言葉より信頼性モニター&イベントビューア。

起動方法

信頼性モニターは昔のWindowsツールなので、起動方法はコントロールパネルを経由します。Windows10でもWindows11でも同じです。

コントロールパネルから「セキュリティとメンテナンス」をクリックします。

アドレスバーが「コントロール パネル\すべてのコントロール パネル項目\セキュリティとメンテナンス」となり、「セキュリティ」と「メンテナンス」の二つの省略セクションが画面に表示されるので、

「メンテナンス」の方をクリックして開き、画面中の「信頼性履歴の表示」をクリックすると、信頼性モニターが起動します。

信頼性モニターが起動すると、自動的にPC内の情報収集を開始します。
情報収集が完了したところで、下記のような画面が表示されます。

この画面を上のグラフと下のメッセージ領域とに分けて確認していきます。

画面を確認する

画面一番上の折れ線グラフが「安全性インデックス」といって、Windows OSの安定性を評価した指標(という説明の記載がある)になります。

このPCではアプリケーションエラー(※図の赤「×」印)が毎日のように発生していることがわかります。またWindowsエラーやその他のエラーはないものの、ある日には警告が出ていることもわかります。
情報を示す「!」もほぼ毎日表示されていますが、これは問題ではないためあまり気にしたなくてよさそうです。

1~10の段階で評価される安定性の指標ですが、このPC(使用中のWindows11)では1から5未満をグラフが行き来していることから安定性が悪い状況であることが窺えます。実際動きが重くなるしエクスプローラの起動が遅くなったりと安定していません。

別の安定しているシステム(を週別に表示したグラフ)だと、

安定性インデックスの折れ線グラフが10近いところに留まっています。

次に、グラフの下部分を確認すると、

エラーを示す「重要なイベント」の欄がシステムの安定性を損なっている主要因であることが多いです。
ここでは「ltpSvc.exe」と「AbiWord.exe」と「COM Surrogate」が問題を起こしていることが分かります。(動作が停止しました、と表示されているため)
AbiWord.exeはAbiWord検証<AbiWordのデフォルト設定を実施してみる - treedown’s Report>時に何回かハングアップしてしまったことがあり、それが記録されたものです。
「ltpSvc.exe」は、初代ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボードを使っているため、その動作ファイルとなります。(キーボードがハングアップして操作不調になったときに、このエラーが記録されているっぽい)これは毎日記録されています。
「COM Surrogate」は、WindowsのOSファイルの一つでファイル名:dllhost.exeの名の通り、メインプロセスの代理でDLLやEXEファイルを実行するプロセスです。この日のみの記録で、頻繁には発生していません。

この他、警告イベントではAdobe Acrobat Readerでなにか失敗したような記録が見て取れます。

また、情報イベントではWindows UpdateやAdobe Readerのアップデートについて動作履歴の確認ができます。

例えば、Officeのアップデートなんかも、

このように確認することができます。

イベントビューア総当たりより手軽

このように、ここまで見てきた信頼性モニターでは、エラーとOSの安定性に関するエラーについて分かりやすく教えてくれます。
もうちょっと深掘りしたい場合には、この信頼性モニターで確認した情報を元にイベントビューアを探ってみればさらに詳細なエラーについての情報を追加で得ることができそうです。
このように、イベントビューアのログ情報で詳細な内容を確認する前のとっかかりとして信頼性モニターは有用なことがあります。(有用じゃないこともあるけど)