treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

※https化しました。その影響でしばらくリンク切れなどがあるかもしれませんが徐々に修正していきます。 リンク切れなどのお気づきの点がございましたらコメントなどでご指摘いただけますと助かります。

後進の指導にお悩みの上司の方へ

本日は後進の指導に悩みを持つ上司の方向けにご報告したいことがあります。

よく「部下が何考えているかわからない。」や「良かれと思って言った(実施した)はずなのに裏目に出てしまう。」といった話を聞くことがあります。

私の主観ではありますが、気を付けている(気を付けていた)ことを書いてみます。

まず、私は「環境づくり」を意識して動いていましたところはあります。
若いころや作業に没頭する立場の社員は業務以外のことは考えない(あるいは考えたくない)ものだと思っています。人間は2つのことを同時に意識するより1つに集中したほうがいい結果を生めます。
部下や後輩がどれだけ気持ちよく作業に取り掛かれるか、作業完了まで周りのノイズに悩まされずに集中できるか、これは環境を作る側の腕の見せ所だと思っています。

指示の出し方も一工夫あったほうがいいかもしれません。
やりたくない、働きたくない、と思っている働く気持ちがない人を働かせるのは至難の業です。働きたくなる気持ちにさせることがまずやるべきことなのかなと思います。
いやでも、そうはいっても日々仕事は山積みになっているですよ、働きたくない、と言ってる場合じゃないでしょう?と言いたい気持ちは分かります。
現代の会社事情では兼務兼務でプレイングマネージャが多いこととお察しします。
プレイングマネージャなんだから実務もやって管理職もやって、日々大変ですよね。お察しします。
でもだからこそ、少しでもプレイングマネージャのプレイの部分を部下に代替してもらい、マネージャの業務に時間が割けるようにしてもらいたいです。
自分以外の部署の人たちが働きたくなるような気持ちになってくれれば、自分の作業に割く時間は減るのではないかなと。

働くことに対して、もっと働こうとアクティブになる一つの傾向は「自分で決める範囲があること。」だと思います。
誰しも、あれこれ指示を出されたそのままをロボのように遂行する業務ではアクティブに動けませんし、ポジティブに考えることもできなければ、クリエイティブな発想も生まれません。だってロボですから。
自分で決断できることがあれば、「これをこうしよう。」時を経て「あの時こうして、こうだったから、次はこうしよう。」と自分で変化を決断して執行することができます。
またこうして自分で決断して執行したことについては"自分で選択した"という事実があるので、納得づくで業務に当たることができます。(それがたとえ困難の道のりでも、です。)
これが万事押し付けのような業務内容で合った場合、自分の中に納得が存在しない働く側には無理やりに力で動かされているだけになってしまい、働こうというアクティブさが失われることになります。
だから仕事は押し付けでなく、ぜひとも自分に決めさせ納得の上で業務に当たらせて欲しいです。「ケツ持ちは任せて思い切りやってこい。」と言葉を掛けれたら粋ですよね。

もう一つは立場の問題です。
自分が上に立った時に、上司と部下に上下はない、という前提を自分で認識するように努力しました。
これはどういうことかというと、職業に貴賤が無いといわれるように社内の業務にも重い軽いはない、と考えるようにするということです。つまり、末端での作業をする社員、中間でマネジメントする社員、経営の末端で部を統括する部長、それぞれは課せられたロール(役割)上の業務を日々遂行しているに過ぎない、ここに上下関係はないよね、という風に考えておく、ということです。つまり社内業務・作業を分業しているだけと考えるわけです。
突然ですが軍人将棋、ご存知でしょうか?
大将・中将・少将・大佐…などの階級軍人と特殊なタンク・地雷などの兵器を駒として、将棋のように配置して接触すると対決、ルールに基づいて勝敗を決する、この繰り返しで最終的に総司令部のコマに駒を進めたほうが勝利というボードゲームです。
このゲーム、最弱のスパイという駒がいまして、最強の大将以外のすべての駒に敗北する、そのかわり最強の大将の駒を撃破できるという駒です。(スパイ以外では大将は地雷踏んで自爆以外では倒せません。)
突然軍人将棋の話をし始めたのは、会社の部内の人員に置き換えて読んでみてもらいたいと思ったからです。
まず(つたない説明ですが)軍人将棋の説明をちょっと書いてみました。
----------------------------------------------
駒には強弱があるので、勝てる相手と勝てない相手がいます。
ゲーム開始から序盤中盤までは駒の強弱で大将をちやほやしたりすることもありますが、ゲーム終盤になれば相手に勝つために大将を捨て駒にして切り捨てる必要がある局面もあります。また最弱の駒スパイを序盤でさっさと切り捨ててしまったために終盤で後悔することになってしまう局面もあります。
各々の駒には役割があるので、最強の大将と最弱のスパイは対等であり、「いまここで大将の駒を捨ててでもスパイを生かさなければ勝てない。」という局面があるのです。
でも大将のメンツがあるからここは最弱の駒スパイを切り捨てて、、、等と体裁を気にした采配をしてしまうと、最終的に相手の大将を倒す駒を失って結果敗北までに至ってしまうことだって軍人将棋にはあります。
----------------------------------------------
いかがでしょうか?>会社内の業務に置き換えて読み直してみてください。
同じ文脈で(多少無理やりですが)置き換えてみました。
----------------------------------------------
社員には得手不得手があるので、達成できる業務と失敗する業務があります。
業務開始(人員配置)からしばらくは、社員の役職で指示を出したり自分を強調したりすることもありますが、業務を進めていくにつれて完遂するためには上司が平社員の業務に集中するために、雑用をこなすような局面もあります。また平社員をさっさと排除してしまったために、「今彼が居ればこの業務は彼が得意だったのに…。」と後悔することになってしまう局面だってあります。
各々の社員には役割があるので、部内において部長と平社員は対等であり「いまここで部長の手を止めてでも、平社員の業務を終わらせなければ会社に損害を与える。」という局面があるのです。
でも部長のメンツがあるからといってここは平社員の業務を置いておいて、、、などと体裁を気にして業務の優先を決定してしまうと、最終的には会社内で大きな問題になってしまい、結果部署全体が損害を被ることになってしまうことだってあります。
----------------------------------------------

要するに、会社の駒と将棋の駒はそれほど変わらんものでして、将棋の駒に上下関係を持ち込むことの意味の無さは理解できるのに、会社の駒に上下関係がある、という刷り込みが変えられない人が世の中に多いのはなぜなんだろう、ということです。
軍人将棋で自陣=部署、大将=部長、平社員=スパイとしました。
大将を捨ててでもスパイを生かさないと勝てない局面があるのですから、現実世界でも部長の何かを捨てて平社員の大事な何かを取らないといけないシチュエーションがある、と認識しておくべきですよね。百歩譲って、「上下関係がない、なんて考えられない。」と思考停止するくらいなら、「上下関係はあるが、優先順位という上下関係は時として逆転することがある。」という程度にでも考えておいてもらいたいところです。
概ね管理職が上手くいかない人は、この原理が理解できないはずです。

私個人の意見としてもう一つ。軍人将棋の話をちょっと発展させますね。

上司は軍師の役回りを演じるのがいいのではないかと思うのです。
部署では上司は主君です。いわゆる殿ですね。
ですから普段の部署の運営においては上司は部下に諮ることで部署の業務に必要な決断を下して部署運営を前に進めていきます。
でも、部下が業務を遂行するにあたり上司に相談する、というシチュエーションは部下が君主で上司が軍師、「君主が軍師に諮る」という形に似ていると思っています。

これは簡単に言えば、何かの主体者は君主でそれを助言する立場であれば軍師、という捉え方をしています。
部署の運営の主体者は上司、業務遂行の主体者は部下、ということですね。

いつでも主役を取りたい人は、なんでも自分でやってしまいます。
が、これでは短期的に「目の前の業務遂行」は達成できても長期的にみて「部下の自立した業務遂行能力向上」が達成できないこととなり、片手落ちなんじゃないか?と考えてしまいます。

貴方は、ある点で主体者です。部署という線の上ではずっと主体かもしれません。
でも組織にいる以上、貴方はある点では主体者ではなく脇役です。ただし同じ脇役でも主役を引き立てる脇役もあれば、エキストラ的な通りすがりの脇役もあります。
どうせなら名もないエキストラでなく名バイプレーヤーぐらいの脇役を狙って、主体者から役に立ったと感謝されるぐらい自分を動かしていくべきです。
主役を引き立てる脇役(ある意味主役より目立とうとする脇役もいますが)これを前段では軍師と表現していました。

なお、これがすべてではないです。昔のやり方でも通用する部下はいます。
でも昔のやり方で通用しないことが多くなっているから、通用しない限りは別のやり方を編み出さないといけないですよね。

今風の上司部下の関係性を考えるうえで、参考になれば幸いです。