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treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

(2/3)チームリーダーの不可解な指示の理由

定時後に呼び出された他部署の部屋、そこで突然のチームリーダーからの指示。ユーザの反発を招きかねないその指示の意図するところが、徐々に見えてくることになる。

(1/3)チームリーダーの不可解な指示 - treedown’s Report」から続く

その不快の理由

「仕事中にエロサイトを閲覧しているということについてどう思うんだ?、と聞いているんだが。」

…いや、いま初めて聞きましたが、そうなんですか?

「本来仕事中である時間帯にエロサイトを見る、という行為、これはPCを没収する重大な事由となると思うが、どうなんだ?」

いや、どうなんだ、と言われても…。なんだか、私がエロサイトを閲覧しているせいで怒られているような錯覚に陥ってくる。実際はそんなことないんだが。
そんな私の心の中などお構いなしに、チームリーダーは続ける。

「見ろ。これが証拠だ。」

チームリーダーは私の目の前の机の上に持っていた紙束を叩きつけた。
安物の辞書を超える紙の束、そこにはプロキシログである「Webサイトの接続履歴」が印刷されていた。

f:id:treedown:20160821181819p:plain

よく見れば、ところどころに赤線を引いてマークしてある。

「この束、赤い下線が、ぜーーんぶ、エロサイトを閲覧しているログだぞ。どういうことだ?」

嗚呼、このユーザたちはやってしまったのか。
とはいえ、私にはそれをどういうことか説明する、ということはできない。
一体全体どうしたいのか、その真意が知りたい。率直にその疑問をぶつけてみた。あくまで怒らせないよう。
チームリーダーは怒りを堪えていた様子だったが、何とかその怒りを爆発させずに済んだようだ。その意図を私に分かるよう端的に説明してくれた。

「エロサイト見ているような社員に提供するパソコンはない、ってことだ。」

要するに、PC没収で制裁を、といったところか。
頭の中で理解できたかできていないか、と言うところでチームリーダーの次の声が飛んできた。

「さあさあ。サッサとCチームの机からパソコンを全台撤収してしまえ。」

ちょっと口元に笑みが見えるのは、気のせいだった、ということにしておこう。
チームメンバーはこの修羅場ともいえる雰囲気を楽しんでいるかのようだった。チームメンバーはハイテンションで「私!これ回収しておきますよ!」終始乗り気な作業のようだった。このチームメンバーにとってはお祭りのようなものなのかもしれない。

個人的には、あとのことを考えると頭がイタイのだが、いま一緒に居る二人にはそれを言い出せなかった。

翌朝

「プー」
内線が鳴った。
無機質な電話の着信音が辺りに響くが、昨日と違うのは周囲には出勤直後の部署の社員が多数いた。
私は電話の受話器を上げると、電話に出る。ここまでは自然な流れだった。
「Bチームの○○ですが…。」
電話の主は自分を名乗る。Bチームのリーダーだった。BチームとCチームは一人のチームリーダーが兼務している。つまりBチームのリーダーを名乗っているこの電話の主は、おそらく昨日のCチームのPCについてのことを聞きたいのだろう…。

さて、どう説明したものだろうか。
そんな葛藤を知る由もなく、Bチームのリーダーは用件を告げる。

「今朝、出勤して来たら、Cチームのパソコンが一台もなくなっているんですよ。いったいなんなんです?」

うぁっちっち、朝からヘビーな話です。経緯は分かりますが、どう説明したらいいものでしょう。
いやぁ、そのぉ…モゴモゴ…。

モジモジして電話を受けている私の視線の先にチームリーダーが椅子に腰かけている。数秒、そのうちにチームリーダーと視線が合い、アイコンタクトのような格好になる。

”オレに代われ。”

チームリーダーは目線でそう言っているように聞こえてきた。もちろん声には出していないが、チームリーダーは電話でドギマギしている様子から電話の主を察したようだった。
チームリーダーは立ち上がると、数歩。私の電話を受けた場所に近づき、無言で手を差し出し受話器を要求する。
私は、チームリーダーに電話を代わることだけを伝え、受話器を渡すことにした。

「詳しくは、そちらに伺って話します。」

手短にそういうと、チームリーダーは昨日私の目の前に差し出した紙束を携えて、部屋を出ていった。

やれやれだぜ…もつかの間

その数分後、だ。
内線電話が掛かってきた。嫌な予感がしながらも電話に出る。

「いまから部屋に来い。急いで、だ。」

電話の主はチームリーダーだった。
気乗りはしないが仕方ない。くだんの部屋に向かって階段を気持ち急ぎ目で降りていった。