障害は収まったように思えますが、その直後、チームリーダーの様子がおかしい…ように見えます。
昨日の記事:(3/5)がんばっていればいいことあるさ - treedown’s Report
から続きます。
その後で
チームリーダーは電話を切ったその場でため息をつくと、壁に寄りかかってメンバーにこう質問してきました。
「カバ雄君は、さ。この三カ月UNIXのスキルアップに取り組んでたんじゃないの?」
そうでしたね。確かにそう言ってました。
すると、以前にパソコンの初期セットアップとLANケーブルを大量に作る作業を残業して手伝ってくれていたメンバーの一人がこう主張しました。
「レイアウト変更のときも作業を断るくらい、そりゃUNIXの勉強をしていましたよ!」
その表情には"私、知ってますよ"って書いてあります。明らかに何かを確信した笑顔になっています。
きっと彼もカバ雄君に何かを依頼した時に無下に断られたんでしょう、って察します。
チームリーダーは私を指さして、
「カバ雄君の隣の席だから分かるだろう?普段彼は何をしているの?」
うーん、正直言ってターミナルソフトの画面とにらめっこして、何かやっている姿しか見たことはないなぁ、という印象だったので、
「UNIXのことを普段からやっている、と言う風には思えますけども…。」
"けども…"というのは、正直言ってカバ雄君が何をやっているかを事細かく把握しているわけじゃないから、と言うのが主な理由です。ですけど、普段からやっているようには見えたんですよね。
「実際ターミナルソフトの画面は業務時間中ずっと表示されていますよ。」
とりあえず、何かやってるんだな、ってことは分かるんですけど、何やってるのか?と聞かれても分かりません。分かるのは画面にターミナルソフトの画面が表示されているってことだけです。
でもチームリーダーとしてはそれでは納得がいかないようで、
「三カ月、それに集中して、あれはないんじゃない?」
多少表情がうんざりしたような曇り方を見せていました。
"あれはないんじゃない?"と言われてもなぁ…、と思った私たちをよそに、チームリーダーは言葉を続けます。
「だって、コマンド、オレより知らないじゃん。ログの場所、オレより知らないじゃん。おかしいよね?」
正直当事者じゃないから何も言えない、というのが、こちらの本音ですが、さすがにチームリーダーよりコマンドを知らない、ってのは引っ掛かりました。
そんな気持ちを知ってか知らずか、チームリーダーは不満を漏らします。
「UNIX大事だよ、だから他の仕事うっちゃってても目をつぶってたんだけど、あれじゃあね。何もできないじゃないか。そこんとこどうなの?」
どうなの?と聞かれても本人じゃないから答えられない、というのがこちらの本音です。
私がまごまごしていると、メンバーがはっきり発言をしました。
「じゃあ、結局何もしていない、ってことなんじゃないですか?
だって私は、"彼がUNIX以外の業務をやっている姿を見たことない"んですから。」
チームリーダーはちょっと驚いた様子で
「えぇー!だって三カ月だよ?三カ月集中できるような期間をあげたんだよ。他のことやってないな…と思っていたけど温かく見守ったんだよ。
君たちがさ、アレコレと忙しそうにしているときでも、彼が集中できるようにしてたんだよ。
それが、無駄だったってこと?」
軽くショックを受けた様子のチームリーダーは誰に質問するでもなく、そういうと額に手を当てて出てもいない汗をぬぐっっていました。とにかくショックだったようです。
「もう特別扱いはヤメ、これからはちゃんと他のメンバーと同じようにやってもらおう。」
チームリーダーは意を決し、自分に言い聞かせているように見えました。