treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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FUSION IP-Phone SMARTを専用アプリ以外で使わない理由

発信専用と割り切ったらWindows10MobileでFUSION IP-Phone SMARTの利用は可能なのですが、少々理由があって、SMARTalkアプリ以外でFUSION IP-Phone SMARTを利用できない環境に縛られています。
※前回の記事:Linphoneを試してみたけどWindows10MobileはやはりIP電話着信ができない - treedown’s Report

ある種FUSION IP-Phone SMARTを便利に使っているのでその構成を崩せない状態になっています。

今日はその(個人的に)便利だと思っている構成についてその理由をとともにご紹介します。

 

一番の理由は「通知する発信番号をワンナンバーにする」ため

SMARTalkアプリでは複数SIPアカウント(複数の電話番号・契約、ということです。)をレジスト(登録)して使い分けすることが可能です。
で、この機能が電話番号ごとに「発信専用/フォアグランド着信/バックグラウンド着信/プッシュ通知」といった機能が細かく選択することができます。
そして、発信した場合、複数登録した番号のいずれの番号から発信して番号通知するかをアプリ上で設定することも可能です。
スマホ単独でFUSION IP-Phone SMARTを利用している限りではそれほど便利には思えないのですが、「固定電話でもFUSION IP-Phone SMARTを利用している場合には、とても便利」に使うことができます。

どういう構成かといえば…

構成図

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FUSION IP-Phone SMARTは2番号利用しており、それぞれ番号1を家電話(YAMAHA RTV700&Aterm IW50&PHS)、番号2をスマートフォンで利用しています。
ただしスマートフォンで利用する番号2はあくまでも転送用として利用しているため、実際に公開している電話番号は番号1のみを公開しています。
家電話(番号1)で受けられないときはFUSION IP-Phone SMARTマイページにログインし、着信転送設定を<番号1>⇒<番号2>とすることでスマートフォンで電話を受けるようにしています。FUSION IP-Phone SMART間の通話は無料で着信転送で別番号に着信したとしてもその通話が着信元に課金されることはありません。
またスマートフォンのアプリSMARTalkアプリで発信する場合でも、発信番号を番号1にすることで、発信通知番号は(番号2から発信しても)「番号1が通知」されます。

SMARTalkアプリの設定は、こうする

SMARTalkアプリの設定画面で「アカウントの設定⇒SIPアカウント」の画面を開きます。
そうするとSIPアカウントの設定画面が表示されますが、ここに番号1、番号2両方のSIPアカウントを登録します。
各々の番号には詳細設定で以下のように設定します。

SIPアカウント画面から各番号をタッチしてSIPアカウント詳細設定画面(SIPアカウント&パスワードを入力する画面)から「詳細設定」をタッチして画面を開きます。
詳細設定画面で「着信方法」の欄から以下のように選択します。
 <番号1>…発信専用で利用する
 <番号2>…アプリの初期設定利用
各々の画面は以下のようになります。

図:番号1の詳細設定⇒着信方法の画面

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図:番号2の詳細設定⇒着信方法の画面

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このように設定するとSIPアカウントのトップ画面は以下のようなアイコンが表記されるようになります。
図:設定後のSIPアカウント画面(上が番号1で下が番号2です。)

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参考図:アイコンの説明もご覧ください。

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つまり、スマホアプリ上では番号1は発信を利用する(正確には発信だけ利用する)ように設定し、着信およびプッシュ通知を受けるのは番号2のみ、と設定しています。

動作はどうなるかというと…

何も設定していない状態では構成図にあるように番号1がレジストされている家電話(YAMAHA RTV700&Aterm IW50&PHS)で着信します。家に入れば家電話で着信し有線LAN経由でIP電話を利用することで遅延も通話品質も通常の電話とそん色ない品質での通話が可能です。
(LAN内の健康状態にもよりますが、無線LANのワイヤレス通信よりは有線LANの通信は高品質低遅延で通信できます。)

外出するときにはFUSIONのマイページで転送設定をします。番号1のマイページにログインして「各種設定」⇒「着信転送/留守番電話設定画面」を開きます。
図:「着信転送/留守番電話設定画面」

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着信転送設定の「無条件転送」欄に番号2の電話番号を入力して確定させます。
これによって番号1で着信した電話は無条件に番号2に転送されるようになります。
つまり番号2の着信なのでスマホのSMARTalkアプリで着信するようになります。

ですが、SMARTalkアプリでは設定した通り、発信時の番号は必ず番号1で発信するように設定していますので、番号2の存在は電話を利用する上で意識する必要はありません。
あくまでも転送先のスマホを識別するための電話番号として使います。

メリット

スマホ1つでFUSION IP-Phone SMARTを利用するのももちろん利便性は高いのですが、自宅に家電話の環境を1つ用意しておくことで、家では品質の高い有線LANによるIP電話を利用することができます。スマートフォンの通話はバックグラウンドの処理に影響されたりスマホ無線LAN品質に影響されたり、と非常に通話に与える要因が多いので、家にいるときは家なりの品質、外出先では「電話を取りこぼさないよう着信を受ける」という目的でスマホの番号に転送する、という狙いがあります。
しかも、着信転送でありがちな「着信した電話から転送先への電話の通話料は、着信者負担」という点もFUSION IP-Phone SMART同士の転送であれば、通話料は基本料金内で利用可能です。元々FUSION IP-Phone SMARTは着信と基本料金が無料のサービスですので、これなら転送自体も無料で利用することができます。

FUSION IP-Phone SMART以外はできないんですか?

で、気になるのは他のIP電話サービスではできないの?という点が気になると思いますが、他では何かしら不足してしまいできません。ほんとは050Plusでできればベストだったんですが、世の中うまくいかないものです。

別のサービスやこれ以上の利便性を求めてIP電話をうまく利用するためにはPBXが必須となります。最近ではクラウドPBXもいくつかサービスが出そろってきていますし、オープンソースではAsteriskでサーバ構築が必要になってきますので、技術か投資額かの違いこそあれ、グッとハードルが上がってしまうのは共通事項になってしまいます。FUSIONのサービスはこの一歩手前を格安で利用できる良サービスですね。