treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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組体操はやめるべき?やるべき?

結論:どっちでもいい。
いきなり身も蓋もない結論ですが、外野がやるべきとかやめるべきとか言う筋合いの話ではない、というのが私の考え方です。
この件、ちょっとしたニュースになっていますね。出てくるニュースでは軒並み止めるべきと言いたげな構成になっています。でも誰も言わない。
コメンテーター的な登場人物も止めるべきといいたそうな雰囲気の話し方をします。でも誰も止めるべきとは言いません。
全体的にちょっと歯切れの悪い、気持ちが悪い感じになっています。(ネットの声がよっぽど正直)
今日はこれについて考えたことを放言気味にご報告します。
最初にお断りしておきますが、私は特に何かを批判したいわけではありません。

まず、"安全"を声高に主張する方もいらっしゃいますが、組体操に限らず安全でない競技など他にも盛りだくさんあります。
騎馬戦(ドツキ合い)、棒倒し(棒を倒すためにドツキ合い)、とりあえずフルコンタクト可能な競技はグーやヒザがちょいちょい出てきます。たぶん見えてないだけですよ。
運動会でいえばこのあたりが代表的ですが、球技大会でもサッカーやバスケなどは直接触れることが可能なので、十分に危険水準のドツキ合いが発生します。(球技大会のサッカーでタックルする人いるよね?あれ、なんなんでしょうな。そしてそれを見てても笛吹かない審判役。あとバスケではドッチボールみたいにボールを当てることを狙っている奴、いるよね?ゲラゲラ笑ってるんだけど、あれも何やりたいか意味不明。)

裏を返せば、バレーボールや野球(ソフトボール)のようにルールでフルコンタクトが出来ない領域で互いが競技する形式のスポーツであれば、直接触れるタイミングがほぼないので、競技中は大丈夫です。
だいたいそういう競技でモメると競技中はフルコンタクトできませんから、だいたい球技大会終了後にあれこれモメはじめるのです。
ケッキョクオンナジジャン。

要するに学校内のスポーツ・競技は何かしらの危険と隣り合わせなのです。保護者では想定できないような危険と隣り合わせに生徒はその競技に取り組んでいます。

これが現実です。(経験者は語る)

神話のような安全を要求することが如何に空しいか多少はご理解いただけたでしょうか。
要するに、他でも安全じゃないんだから、安全を求めて(大義名分として)組体操止めてしまいましょう、というのはあまり意味がないのです。
組体操だけ止めれば安全じゃないということです。
もっというと神話のような安全を完璧に求めてしまうと、可能性がある以上は体を使う授業は何もできなくなってしまうことになります。

たぶん組体操のピラミッドやったことない大人が突拍子もない発言したりしてないか?という憶測をしています。

実際のピラミッドの土台の会話を小学校から中学校の運動会でピラミッド最下層土台率100%の体験談からお話しします。
ピラミッドは四つん這いの人の上に四つん這いで乗って、何段か重ねていくのですが、最下層の土台は5段であれば15人(補助付きの場合は+補助人数)をしたから5-4-3-2-1に分配し、土台1人には概ね3・4人程度の体重の負荷が掛かります。
最初の5人の上に4人が乗る4段目はまだ余裕があります。この時点で騒がしい人もいますが。
問題は3人の3段目が乗って、次の2人(4段目)が乗るあたりからです。このとき最下層は
「イタイイタイイタイ、骨のところに手を置くな。」
「ヤバイヤバイヤバイ、もう無理。」
「もうちょっとだって、がんばれって。」
「いやもう無理。」
「グリグリするなよ、イテェ」
(2段目が)「ヒザが滑るんですけど。」
「なんとかしろって。」

最後の1人(5段目)が乗るころにはもう大変です。
「もう無理、もう無理。」
「早く乗れって!」
「(合図の)笛はやく吹けや。」
「(合図の)笛なしで乗ってしまえ。」
「死ぬー。死ぬ死ぬ死ぬー。」
もう、背中に掛かる体重が骨を痛め、ピラミッド全体の重量が手のひらとヒザに掛かるので、グランドの小石すら凶器となる状態です。土台はてんで勝手なことを言いまくります。
(いや私は言ってませんよ。)

5段でこれですから、今話題の10段となると想像を絶する世界ですね。事故もあり得る話ですから止めさせたくなるのも気持ちは分かります。

だいたいにおいて、ピラミッドの頂上の1名は小柄であることが必須条件です。なので小柄な生徒が選ばれますが、この小柄な生徒が気が強い(やんちゃ)タイプなら「貧弱、貧弱ゥ!!」と土台を罵っていればいいだけなのですが、気が弱いタイプかつ土台の何人かが気が強いタイプだと、事態は不幸です。

乗り方とか乗るスピードとか、動作の一つ一つに細かな注文がつきます。土台は乗る方の苦労など知ったことではありません。シンプルに耐えるだけの役割です。
にも関わらず、小柄な頂上の生徒にあれこれ注文をつけます。無責任なものです。
「もっと早く乗れ。」「乗るとき骨に足を掛けるなよ、痛いから。」「乗るのにミスしたら許さない。」
まさに「ドゥーユゥーアンダスタンンンンドゥ!」状態です。気が弱い方は「YES I AM!」以外の選択肢はありません。
5段ピラミッドの頂点となると、まあ結構な高さです。落ちたらそれなりに危険が伴いますが、土台はその世界を知りません。発言は無責任なものです。それでも選択肢は「YES I AM!」以外にはありません。
土台からすると、「重いのに耐えているのだから、せめてミスをなくして時間を短くしてくれ。」という主旨です。土台はシンプルに加重に耐えていればいいのですから時間が短ければ短いほどいいわけです。
4段目や5段目に乗る方からすると、焦って雑に乗り込めば落下の危険が迫ってきます。なので乗るときに落ちる危険を回避するようにしなければなりません。その時に、乗り方を制限されるのは少々異を唱えたくもなります。(気が弱い乗り手は反論の余地がありませんが)
そこまで言うのなら、気の強いキミがピラミッドの上に乗ればいいじゃないか、と言いたくもなりますが、たいてい小学校高学年~中学生の年代で"言いたいこと言いまくれる気が強い奴"これは腕っぷしも強いことが多くて、もっというと体ができていないと腕っぷしは強くありませんから、そんな彼らはピラミッドに参加すれば選択の余地はありません、土台やっとけ、ってくらいのガタイです。

こんな微妙な人間関係の綱引きを乗り越えて、普段我慢することが大嫌いでダラダラしているような生意気な生徒が土台をやって耐え抜いて達成するのが、組体操のピラミッドです。面白くありませんか?(いや当事者には面白くないことも多いが)
私の中学校の時のピラミッドの土台は誰一人として仲のいい友人は土台になっていません。(むしろあまり仲良くない、会話しないメンツ)
それでも、終わってみるとちょっとしたすがすがしさというか、やり切った一体感というか連帯感は生まれるものです。その一瞬だけは仲良くなったような錯覚に陥ります。あくまで一瞬の錯覚ですから、次の競技になるとそんな連帯感は消し飛びますが。

だから、組体操、やってもいいんですよ。安全じゃないからって理由で廃止を声高に叫ぶ必要はないんです。
学校を指導する立場の委員会が「事故られたら困るから(例えば責任を取りたくない)」という理由で制限を掛けたり、止めさせたりする圧力が掛かる、というのは生徒のことは考えてない(自分の保身だけ)とはいえ、話としては分からなくもないです。しかし利害関係がない外野が危ないから止めるべきとかいう発言をして、それが世論になる(世論にしようとしている)のはちょっと私には理解できません。
ちなみに、話題の10段を容認する、という主旨の発言をしているつもりは一切ありません。私は5段で十分苦しいのはよぉぉっく知っていますので、6段というだけで「どうかしているッッッ!」と思えます。
生徒のための運動会のはずなのに、保護者の目を気にした運動会の運営になっている、というところが違和感を感じているところです。「観覧に来た保護者の受けがいい」という発言が。いやいや、運動会は生徒のイベントですから。観覧者のことを気にしてどうするよ。

だいたい運動会の競技って運動会の一ヶ月くらい前から体育の授業で練習します。その練習が開始する最初の体育の授業で、ピラミッド○段やります、いいですね、みたいな問いかけが先生から発令されます。
そのとき「いいともー」とか無言でN/A=Yes、だとそのまま先生が話を進めてしまします。
10段ピラミッドやります、って言われたらその場の生徒全員で「どうかしているッッッ!」って一斉にツッコんで欲しいです。

騎馬戦は騎馬(上)が勝手にドツキ合いしているだけだから個人的にはそれほど思うことはないのですが、個人的には棒倒しもたいがいです。
途中で先生が生徒を引きずり出すくらい暴れる生徒がいます。「グーでパンチしていた」というのが退場理由です。棒倒しって競技のルールは棒を支えている敵チームの守備部隊を全員シバキ倒した方がはやいチームが勝ち~っていうルールだったっけ?という錯覚すら覚えるほど棒倒しはたいがいな競技でした。はっきり言って出場したくない。
幸い私はケガをしませんでしたが、棒倒しでグーパンチを耳にもらっていたのでケガしている可能性はありました。しかも私の中学で運動会中にグーパンチでケガしたからって世論は騒いでくれるような気配はありません。というかほとんどの先生も無視です。そういえば前述の棒倒し中に生徒を引きずり出した(少数派の)先生は翌年、特別学級の担任に異動になっていました。

今回注目された組体操10段はいい機会なのかもしれません。
いろいろな角度から考え直して、保護者や教育委員会、先生方のご都合主義ではなくて、生徒のための施策を考え直す、という方向に議論が進んでいくといいですね。

 

ここまで放言にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。


ん?組体操?もう一回やってみたらどうだって?


だが断る