今日の主役はThinkPadのキーボードです。
同じキーボードなのに違う感触になる、という理由をご報告。
※ほとんどは昔のIBMの営業さんから聞いた話の受け売りです。
久々にThinkPad T60を使うと…
それはある休日、久々にThinkPad T60を使ったんです。
キーのタッチが堅くてとてもイイ感じ。
…と、思ったとき、ふと頭をよぎった疑問が一つ。
「あれ?ThinkPad T61はちょくちょく触っているけども、これってこんな堅さあったっけ?」
何となく久々に触れたThinkPad T60のキーボードとたまに触れているThinkPad T61のキーボードのタッチの具合が違うような感覚に襲われていました。
これ、機種がが違うから当然違うよね、という突っ込みがあるかもしれませんけど、実はThinkPad T60とT61は同じ規格のキーボードなのです。
(※ちなみに、この二機種の次の世代であるT400もほぼ同一のキーボードが使われています。T61とT400でスワップ可能。しかし、裏面の鉄板が省かれた影響で、軟らかくてたわむような感覚があることが有名です。そういえば、以前<https://blog.treedown.net/entry/2016/01/26/010000>話題にしていました。)
同じキーボードだけど、実際に使ってみるとタッチの具合が違う、ということもあるんですね。(T400とT61の差はそもそも部品として違うので分かるのですが、T60とT61は同じ部品でもタッチに微妙な差があるのです。)
ちなみにX60sは同じ世代でもキーボードが異なります。
B5サイズ用のキーボードになっています。
キーボードは同じでも…
昔IBMの営業さんから
「キーボード自体は同じ部品を使っていても、本体の設計によってキーボードのタッチって変わっちゃうんですよね。
だから、一概に名機と呼ばれるキーボードを単純に新機種に搭載すればいい、ってもんじゃないところが難しいところなんですよ。」
と言っていましたね。この時思い出しました。
そのIBMの営業さんは、続けて
「設計っていうのはですね…、
各キーボード、同じ部品を使っていたとしても、キーボードの下にどんな部品が配置されるか、その部品はどんな硬さなのか、どこに空間が配置されているか、なぁんて、何でもないようなことの一つ一つがキーボードのタッチに影響してくるんですよ。信じられないかもしれませんけど。」
つまり、同じキーボード部品を搭載しても、キーボードのタッチが”何となく違う”と感じることもある、ってことの裏側を説明してくれたわけです。
そういえば、昔、IBMトラベルキーボード(ウルトラナビ付き)を使っている時に、同じ部署の同僚に言われたことを思い出しました。
「それ、買っちゃったんだ…。
それって、ThinkPad本体と同じキーボードに見えてキーを打っている感覚が全然違うよね。
ペラッペラ、って感じで。」
そのときには、こう言われても、「何となく分かるようでいて、なんとなく分からない」という感じでしたが、いまはなんとなく分かります。
形が変わっても変わらない価値
ThinkPadもアイソレーションになってからかなりの期間が経過しており、個人的には昔ほど機種間(世代間)の差が分からなくなっています。
それでもTrackPoint付きのキーボードという価値は変わらず提供してくれていますので、アイソレーション化しても7列じゃなくなったとしても、まだまだこのキーボードは手放せない状況です。
好みの話をすれば人の数だけ好みが分かれますので自分のことしか言えませんが、個人的にはT420世代のEscキーとDeleteキーが大きい7列キーボードが好みです。ただ使っているとヘタってくるのでキータッチが使い込んでいくと変わってしまうのが残念。