treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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低速CPU搭載PCでSSD換装時に確認しておきたい設定の一つ

今日は、低速CPU搭載のPCをSSD換装した時に確認しておきたい設定を一つご報告します。

まずどのくらい低速かと言いますと、
Intel Celeron D 336  2.80GHz」
です。かなり前(10年近く)のPCですから、やむを得ません。

 このPCにはWindowsXPサポート終了に伴い、別途ライセンスを用意しWindows7クリーンインストールしてかれこれ2年弱稼働させていたのですが、搭載されていたHDD容量が40GBなので、さすがに容量不足で動作不良が目立つようになってきました。
換装は現実的な解決策ですが、容量を増強するにしても80GB程度あれば十分なので、このPCではSSDに換装することになりました。
無事SSD換装が完了したのですが、CPUが弱点となって、Windows Updateやウィルス対策ソフトのアップデート&定期スキャン、といった一般的なメンテナンス系のタスクですぐにCPU使用率が100%に達してしまい、動作が鈍くなってしまいます。

しかし、これらのタスクがすべて動作し終わってからもCPU100%で動作が鈍いまま、という時間が継続してしまいます。これは?ということで調べてみました。

CPUを100%でずっと占有するプロセスが「svchost.exe」です。これが100%になるのは、Windows Updateではよく見かけます。ですが、今回はWindows Updateは動作していない状況でもCPU100%になる、という状況です。
こんな状況が1時間も2時間も継続して続きます。

f:id:treedown:20151102005255p:plain張り付いてますねぇ…。
この原因を探ってあれこれ検証したところ、デフラグだと断定できました。
まずは、デフラグ画面を開いてみましょう。
エクスプローラのドライブのプロパティから「ツール」タブをクリックし、「最適化する」ボタンをクリックします。※Windows8「ドライブの最適化とデフラグ」という箇所の「最適化」ボタン、と表記が相違します。
すると「ディスクデフラグツール」ウィンドウが起動します。

f:id:treedown:20151102005503p:plain
画面上部に「最適化がスケジュールされています。」と太字に表示されている場合、自動的にデフラグが動作するようになっています。
この画面で、「スケジュールの構成」ボタンをクリックします。
「ディスクデフラグツール:スケジュールの変更」画面が表示されます。

f:id:treedown:20151102005815p:plain
この画面の「スケジュールに従って実行する(推奨)」を、上図画面のように外してしまいましょう。完了後「OK」ボタンをクリックします。
すると、下図のように…

f:id:treedown:20151102010005p:plain
最適化はスケジュールされていません。」と表示が変化しました。

最適化が自動的に実行されない状態が"SSDをシステムディスクにした場合の正しい設定"です。

技術的なお話はあまり興味がないかもしれませんので、さらっと説明しておくと、HDDはデータがバラバラで記憶される場合、読み書き性能が悪くなり、より多くの時間が掛かるようになります。帳面で1つの記述を別のページに飛び飛びに記入してしまうとページをめくる必要があるので記述を探すのに時間が掛かる、というのと同じです。
SSDではこのデータがバラバラで記憶されることによる性能低下/時間が掛かる、という現象は発生しません。バラバラで記憶しててOKな機器なのです。

さて、この設定をした後にどうなったか、タスクマネージャのパフォーマンスタブの画面を取っておきましたので、下図に張り付けておきます。

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画面右下の起動時間の箇所を見ていただければ分かりますが、1時間56分稼働しています。
1時間56分ずっとCPUが100%で張り付いていたのですが、この設定を実行してから上記の波形のように緩やかにCPU使用率が低下していき、最終的に0%~9%と一桁台で抑えられています。

今回学んだことは、

  • Windows Updateやウィルス対策ソフトの動作でCPUが占有されるほど低スペックなCPUを利用している場合、バックグラウンドでデフラグが動作していてもCPUが占有される。
  • デフラグでCPUが占有される挙動はHDDからSSDに換装しても状況は変わらない。
  • SSDに換装することで"デフラグ自体が不要となる"ので、CPU100%で占有されるタスクが一つ減る。

換装した効果は単純にストレージのリードライトが高速になる以外にも、副次的なメリットを一つ享受しました。
CPUがsvchost.exeで100%に占有されるバックグラウンドのデフラグタスクの実行が不要になることで、動作が重くなる要因を一つ減らすことができる、というメリットです。
SSDは価格も安くなってきましたので、まだ旧式HDDをご利用中の方、この中で今お使いの旧式PCをやむを得ず使い続ける必要がある方は、SSD換装を実施することで幸せになれるかもしれません。ぜひ。