treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Active Directory要らない、ということもある?

Active Directoryってご存知ですか?
今日はActive Directoryについてちょっとした話をご報告します。
Active Directoryは何をするものか、という話です。

数年前の商談で

「Active Directoryもういらないんですよね。」
って言われたことがあります。
PCは数十台程度の規模で、認証をActive Directoryで仕掛けていた環境だったのですが、「要らなくなった」という発言に結構衝撃を受けました。

この時の話では不要という扱いを受けていましたが、Active Directoryの存在意義をちょっとお話しします。

Active Directoryってなにか

簡単に言うと認証管理所というところですね。つまり認証サーバであるドメインコントローラというサーバが形成するコンピュータの集団をActive Directoryと呼称しています。
そのコンピュータの集団に所属するコンピュータ同士ではユーザ名&パスワードは統一された一つのユーザ名&パスワードでコンピュータは人間を識別します。

Active Directoryは何の役に立つか

一言で言えばシングルサインオンとコンピュータの自動設定です。
上述のコンピュータが所属するActive DirectoryやWindowsドメインというコンピュータの集団では、コンピュータが人間を識別するために一つのユーザ名&パスワードを用いることでその人にあらかじめ設定された権限でActive Directoryという集団内での行動が制限されることになります。逆に言うと自分がこれくらいActive Directory内で活動してよい、という許可を得ることができる、といえます。
アクセスしてよい共有フォルダ、アクセス可能なイントラWebサイト、使ってもいい電子メールアドレス、使ってもよいインスタントメッセージ、Active Directory内に所属しているコンピュータであればこれらにログインするためのユーザ名&パスワードは複数のツールを使っていても認証をActive Directoryで統合しているのであれば一組を使うだけでよい、ということになります。
そしてこういった複数の道具・機能を使うためには(家PCなどでは)設定作業が必要不可欠となりますが、Active Directory環境内で設定を配信するグループポリシーが構成されているのであれば、使う側の人は設定作業なしで使い始めることができます。

便利じゃないですか。

Active Directoryは要るかどうか?

それでも、Active Directoryという仕組みは要らない人にとっては不要な仕組みだということ、なんですよね。きっと。
確かにドメインコントローラを用意して、24時間365日ドメインコントローラが稼働していなければActive Directoryが正常に動作できません。サーバ台数が少ないとシングルサインオンの恩恵もあまり受けることはできませんし、PCも台数が少なければ自動設定にそれほどの魅力を感じないかもしれません。

つまり、冒頭の言葉は「成長しないつもりの企業ならば正しい」ということになります。ナルホドナァ…。
個人的には成長しない企業ってのが自分の頭の中に存在を認識していなかったのですが、中にはそういう会社もあるんだなぁ、と思った次第。

ちょっと考えた

自分の頭の中では企業は成長することを前提として存在している、という頭があった、というのがそもそもの会話のギャップになってしまったように感じています。要するに会話するすべての組織が成長する(成長しようとする)前提の組織だけじゃないんだ、ということですね。
ただし、成長する企業なのであれば、規模が拡大するにつれて人数が増え人数に伴ってPC台数が増え、PC台数が増えるにつれて必要なソフトウェアの種類が増え、そのソフトウェアを動作させるためにサーバが増え、増大したサーバへのトラフィックをさばくためにネットワーク機器の増強・増速が必要になる、という相関関係のもと設備投資が必要になってきます。

簡単に言うと、この規模拡大に伴う動きの中で必ずIT機器に掛ける手間を減らす効率化と適正な作業と投資を実行するための合理化が必要になるタイミングがやってきます。ただ、そのタイミングは規模拡大のスピード感に追従することになるので、急速に規模拡大をしていくのであればかなりのスピード感が要求されますし、緩やかな成長をしていくのであればそれほどのスピード感は要求されません。

でも緩やかな成長を続けている組織に対して、定型業務をこなす日々を続けていると…ある日突然気づくんじゃないでしょうかしら。緩やかで変化のない組織だと思っていた成長が塵積って山となり自分の手法とギャップが生じるほどの組織に成長していたとき。
その時、人は何を思うか?
個人的には興味があります。

茹でガエル(茹でガエル現象)にはならないようにお互い気を付けたいものですね。