treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

(2/2)失敗してもいいから、という罠

昨日のつづき

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昔話は続きます。

無線LAN導入作業

案の定、無線LAN導入作業は自分の予想より進捗させることはできたものの、無理なスケジュールが祟って上司の引いたスケジュールから遅れが出始めることとなった。

シマッタ、嵌められた、と思うも後の祭り。

他の業務にも遅れが見え、ギリギリ納期を遅れている状況がいくつも出てきてしまった。

このスケジュール遅延について、上司から呼び出されミーティングすることになった。
開口一番、上司が口を開く。

「オイオイ、スケジュールがどの仕事も遅れているじゃねーか。もうちょっとしっかりやってもらわないと困るんだよな。」

あー、そうきたか。
さっそく弁明する言葉が口をついて出てくる。
「遅れている、といっても、ギリギリ遅れている、という状況で、どうにか踏ん張っている、と認識していますが…」
と発言している言葉を遮って、上司の強い口調が響く。
「遅延は遅延だろ。ギリギリ遅れているんならもっと頑張ってギリギリ間に合うようにしろよ。」
でも、スケジュールを引いているのはそもそも作業内容や作業に掛かる時間を把握していない上司、あなた本人なんだよ。
無茶なスケジュールを個人の力で踏みとどまっているだけに過ぎない状況で、頑張ればギリギリアウトがギリギリセーフになる、ってどういう論理だ?合理的に説明せい。
と、言いたい、言いたい、言いたいけどもこれは心の声でしか言えない。会社員の辛いところだ。上司に直言すればどんな形で跳ね返ってくるか分からない。
言いたいことが言えないしがない会社員に、上司はさらに言葉をつづける。

「間に合わなくて、いざ失敗、となれば、この責任は誰がとるんだ?もちろん責任とれるんだよね。」

おっと、現実的なスケジュールを紙に矢印を数本引いただけで無茶なスケジュールに書き換えたのは、誰の仕業でしたっけ?
…なんて、思っても言えない。
しかも責任問題と来たか…。

さらに上司の攻撃性は収まらなかった。

「あのさ、この会社に勤めてもう何年目?昨日今日来た社員じゃないんだから、もっと自覚持ってやってもらわないと困るんだよね。」
上司の言葉は続く。
「とりあえず、今のギリギリ遅れているのはあと少しの努力でギリギリセーフにできるだろ、ギリギリなんだから。挽回できるように、もうちょっと時間と労力を割けばいいだけだろう。」

こうして上司はミーティングの終了を示唆し、出口に向かって手を差し伸べると、私の退出を促していた。

 

これ、なんも解決しとらんがな!

 

別のミーティングで

結局、無線LAN導入作業は毎日終電で帰って土曜出勤も重ねた甲斐あってギリギリ遅延するかしないかの微妙なラインでいったんプロジェクト達成となった。
ドラマや小説であれば、もっと切った張ったのひと悶着もあろうものだし、窮地に追い込まれてからの大逆転もあろうものだが、現実はドラマや小説のようにはいかなかった。現実とはもっと地味で地道な厳しい道だ。

上司はいくばくかの遅れについて不満はあったようだが、役員が喜んで無線LANでPCを使っていることからそれほど気を悪くはしていないようだった。
当の作業員であるこちらの気はかなり悪くなっていたが、それをぶつけるところもなく、悶々とそれを忘却という消化方法を選択する以外に、無力な会社員には選択肢が残されていなかった。

 

こうして時は流れ、別部署からシステム導入の依頼を受けた時の部員の積極性に不満だったのか、上司が突然、部員たちにハッパを掛け始めた。

「ウチの部員、つまりキミたちは、失敗を怖れて、自分が出来るレベルのことを余裕のある期間でしかやろうとしないよね。」

…。

「もっと、失敗を恐れず、チャレンジングに業務に邁進して欲しいもんだよ。」


いや、それ、アンタが言うか?
みんなハシゴを外されたくないんだよ。

 

心の中で呟いたのは、言うまでもない。