treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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(1/2)ストレージがないPCのハードウェア管理台帳を作りたい

今日はまだストレージが内蔵されていないハードウェア管理のためにちょっとやってみたことをご報告します。
と、いつものように始めましたが、いざ書いてみるといろいろと説明しなきゃいけないことが多く、細かい部分は置き去りになっている内容になっているかもしれません。こんな使い方をする人も世の中には居るんだな、という程度のご参考までにご覧ください。

使うのは

これらを使って、起動用USBを利用しハードウェアインベントリ収集をします。

やりたいこと

数十台の内蔵ストレージ(HDDやSSD)がないPC、これをキッティングしなきゃいけないのですが、全台ではなくて、一部だけキッティングしなきゃいけない、という話の流れです。
図:こんな感じのがたくさん…

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そうなると、少しでも有利なハードウェア状態のPCを把握しておきたいところなのですが、ハードウェア情報(例えばメモリの搭載量)を一台一台ねじ開けて確認していると、大した時間を要してしまいます。こういうときは、インベントリ収集を実行して一括してファイルに落とし込み、データとして集約してしまうのが一番話が早いのですが、いかんせん「内蔵ストレージ(HDDやSSD)がない」という条件が引っ掛かってOS上で動作するインベントリ収集の技術は使えません。(正確にはPXEブートなんぞを利用するとネットワーク経由でOS起動して…ということもできそうですが、環境構築にはいろいろ必要になってきます)

そこでUSBブートで最低限利用可能なOS環境を使ってフリーソフトを実行することで情報収集できるかな、と考えたところが発端です。

基礎知識:PCAssetとは

PCAssetとはPCのハード・ソフト状態を収集してタブ区切りテキストファイルを生成してくれるフリーソフトです。対応していればWMI情報を収集してPC本体のシリアル番号や型番といった(BIOSで管理されている)一意の情報までも収集してくれます。これでテキストファイルを生成することで目視して手作業でシリアル番号をメモする手間を省き、書き間違いや読み間違いを防ぐことができる、という点が手作業より有利な点です。

準備がてらちょっと使ってみましょう。

PCAssetは昔ながらの.exe実行型のソフトウェアです。なのでWindowsであればPCAsset.exeを実行するだけで情報収集までが利用可能です。(このソフトを使うためにLinux Live CDではなくWindows PE環境を用意するという動機につながりました。
PCAsset.exeを実行すると、PC情報収集したファイルが画面表示されます。
図:PCAsset起動画面

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メニューバーのファイルから、「保存」を選択すると、収集したPCの情報をテキストファイルに落とし込めます。
図:ファイル保存の画面

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デフォルト状態であればログイン中のデスクトップ上に、コンピュータ名のテキストファイルが生成されます。
実際にはUSBブートしたPE環境で起動して保存、という操作を繰り返すことになるので、これをもう少し簡単にできるように自動保存を設定してみましょう。
PCAsset.exeと同じディレクトリ上にPCAsset.iniという設定ファイルが格納されています。
このファイルに追記することで指定したディレクトリに自動保存するよう設定することが可能になります。
図:PCAsset.iniファイル

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上図の「[SETTING]」以下「SAVEFOLDER」とある部分と「AUTOSAVE」の部分を追記します。
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[SETTING]
SAVEFOLDER=C:\Users\User01\Desktop
AUTOSAVE=1
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この表記の場合であれば「C:\Users\User01\Desktop」とあるのでUser01というユーザ名のデスクトップにファイルが自動生成されます。例えばこれが「C:\Users\User01\Documents」と記載があればドキュメントフォルダに作成される、という意味です。ここにWindowsPE環境のファイル書き込みができる場所を記載した.iniファイルを作成しておきPE環境にPCAssetを導入することで、WindowsPE起動後にPCAsset.exeを実行するだけで自動的に収集した情報ファイルがUSBメモリに格納されるように作りこめそうです。自動保存のためにはAUTOSAVEの値が「=1」となっている必要があります。デフォルトは「=0」で無効化されています。
この辺は実際のWindows環境で動作を確認しておく方がよさそうです。

■続きは明日

長くなってしまったので、明日に続きます。