treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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(3/3)Office…どういう買い方にしようか?で迷う

二回で終わるはずだったんですが。今日もOffice購入時に考えたほうが良いと思われることについてご報告します。
主にインストール作業でどうなるか、という点をざっくり記載しておきますね。
リンク↓

(1/3)Office…どういう買い方にしようか?で迷う - treedown’s Report
(2/3)Office…どういう買い方にしようか?で迷う - treedown’s Report

今日の話題では月額版&ライセンス 対 パッケージ(&プレインストール含む)のような構図になっています。

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PCキッティングの作業が有利

このインストール作業はOfficeのインストール作業をさしていますが、例えば10台に展開する場合を考えてみましょうぞ。
※いま、まさに私はこの岐路に立たされており、祈りながら決定を戦々恐々と待っています。

マスタイメージにインストールして展開する場合には、マスタイメージにインストールしてWindowsUpdateでOS含めOfficeのアップデートを実行します。全てを最新にしてマスタイメージを各PCに展開するわけですね。ちょっと前のMSで言えばMicrosoft Desktop Optimization Pack、sysprep、…etc.を用いてOSイメージ展開でキッティング作業を進めてPCをこしらえていくわけです。
ですが、イメージ展開する場合マスタイメージのOS状態そのままで複数台のPCに展開されますのでOS内のソフトウェアすべてにおいて一意のGUIDは一律になってしまいます。このためGUIDの重複が許容されないor一意のGUIDを有するソフトウェアは一台一台に手を掛ける必要があります。同じ理由から、Officeのライセンス認証用のプロダクトキーも当然ですが統一されてしまいます。
この動作から、ライセンス購入であればライセンスに紐づく一つのプロダクトキーで必要数展開が可能なのですが、パッケージではプロダクトキーは1つ1つ相違しますので、これはライセンス違反になってしまうということです。(パッケージやプレインストール版でのイメージ展開は使用許諾条件では許可されていないです。)
こうなると、できるだけやっておくにしてもライセンス認証操作だけは手動で実行しなきゃいけないのですが、これが10台、20台…100台、200台とあるといかがでしょうか?ちょっと無理があると思いません?

ライセンスが良い、と言えるのはこの各PCに対して実施する手作業が不要になる、という点でライセンスがよいということが言えるわけですね。企業ではパッケージで購入しない理由の第一はこれです。

ライセンス移管でインストール作業のとき

もう一つは移管の時の手間です。
どっちかというと、OfficeをPCによって入れたり入れなかったりという環境で作業負荷が上がりますよね、という話です。
ライセンスであれば、インストール作業をかなり自動化できますので、数量管理さえちゃんとできれば労力はかなり減らせます。これがパッケージだと倉庫に保管する場所を取りますし、何しろパッケージから目的のプロダクトキーを探し当てるのが大変ですよ。じゃあ台帳化しておけばいい、と簡単に言われることもあるんですが、100ライセンスあったら100個のプロダクトキーを記帳しないといけない、しかもどのPCにどのプロダクトキーを使ったかの紐づけを間違いなく実行しないといけないというのは、これはこれで修行にも近い作業であります。
パッケージはライセンス移管できるとはいえ、今まで使っていたPCからアンインストールは当然ですが必要になります。
アンインストール後インストールするわけですが、インストールしたら当然WindowsUpdateの始まりです。Officeだけ個別にインストール⇒アップデート、とやるのは結構な時間を食います。PCのスペックにもよりますが数時間は掛かってしまうでしょう。
必要なPC台数分マスタにあらかじめOfficeがインストールされている環境ならそもそも移管は必要ないからその数時間は別の業務に充てることができますね。ああ、でもパッケージを全台入れていれば移管は発生しない、ということだからライセンス対パッケージのメリットの話とはちょっとズレてしまいましたね。すいません。移管の話に戻ります。

移管時の作業としてはアップデートと同じようにアクティベーション(アクティベートともいいます。ライセンス認証のことです。)が発生します。アクティベーションの回数ってご存知ですか?ネットワーク認証で済むか電話認証しなきゃいけなくなるというのはこのアクティベーション可能回数によって左右されます。このアクティベーション可能回数って、パッケージで購入した場合に比べてライセンス購入した場合のアクティベーション可能回数は桁違いに認証回数が多いです。つまり入れたり消したりを頻繁に何百台と実行しても耐えうるだけの認証可能回数が用意されていますので、ネットワーク認証でアクティベーション可能なんです。でもパッケージだと3回ほど移管した時点でネットワーク認証はできなくなり電話認証しか使えなくなってしまいます。電話認証って時間も手間も掛かるから同じ金額の製品なら「その分の労力が不要になる」側が優位と言えますね。

ちょっと話を戻しますと、Officeをパッケージで購入している環境で100台のPCがあれば100個のパッケージが存在することになるので、移管や再インストールの時に今使われているプロダクトキーを探し出すのはかなり大変だよ、ということも言えますね。
移管ができないプレインストールでも再インストール時には同様です。そのものズバリのプロダクトキーが必要になります。けど、企業ってPCを何十台も何百台も一括導入しますよね。プレインストール版でOfficeを用意した場合プレインストールされているOfficeのプロダクトキーが何か分からなくないっすか?でもライセンス上はPCハードウェアとプレインストール版Officeのプロダクトキー&メディアのペアは厳格に決められているのです。

総じて

三回に渡ってシステム管理者視点でのOffice購入時のエディション選定についていかがでしょうか?
ユーザが要求する機能的な要件は当然満たさなければならないのですが、システム管理者のメリットになる非機能的な要件もOfficeのエディション選定時には着目することで、作業の手間を軽減できれば企業側のコストとしては人件費が掛からないことになります。(インストールが自動化できれば後はコンピュータ任せとなりますので。)
ただし人件費とライセンスコストを見比べるというのは少々無茶な比較になりがちなので、うまくライセンス購入か月額版Office契約の側に決裁を引き出したいところですよね。システム管理者にとってプレインストールを含むパッケージだけは嬉しくない(というのは私の主観)です。