treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

会社の休憩所で大声が聞こえてきた…その話題はWINS

今日はちょっとした昔話です。
レガシー過ぎてもう誰も使わないと思われるWINSという名前解決のテクノロジにまつわる話です。
以前別の記事では「技術者は向上心が大切」というような話をしました。
向上心をもたらすきっかけは人それぞれですし、例えば周囲から尊敬されたいとか同僚の女性からモテたいとか、そんな理由であってもそれが原動力となるのなら動機は構わない、というのは分かるのですが、日々の日常にそれを表現する方法についてはちょっと考えなきゃいけないよね、というご報告です。

きっかけ

だいぶ前の話です。2000年代初頭くらいだったと思います。
私が休憩所で打合せ後の話をしていると、新入社員らしき男女の集団が休憩に入ってきました。そのうちの1人が語気荒めに同期らしき社員にこう叫んでいるのです。
「オイ!俺に早くWINSサーバの設定方法教えろよ!使い方もさ!!」
尋常じゃない大声でしたが、彼はもともと声が大きいのかもしれません。決して恫喝/圧迫的な言い方ではなくフザケて(ウケようとして)大声張り上げてこういうことを言っているようです。(言われている方が好意的に受け取っているかウザがっているかはわかりませんが)
ちなみにですね、ここ重要なのかもしれませんが、大声張り上げていた彼の周囲には、「新入社員の女子がたくさん(複数人)居た」んですよね。
要するに女子の前で張り切りすぎちゃったのか?って見方もできます。リアクション担当として大声で話しかける、というキャラクターを張り切り過ぎた、ってことにも見受けられます。
会社内で休憩所とはいえ叫んでいるのはどうか、というのもそうですが、内容が問題です。

WINSの設定方法…?

WINSサーバって何?

WINSと言っても場外投票券売場であるWINingSpotとかWeekendINSpotの略ではありません。Windowsネットワーク用語の方です。
Active Directory全盛の世の中ではもうWINSなんぞ死語になりつつありますが、過去のWindowsネットワークでは主流だった名前解決テクノロジです。
正式名称は「Windows Internet Name Service」と言います。Internetと名前に冠していながら、がっつりイントラネット上でしか使わない(使えない)名前解決技術です。NetBIOS時代のWindowsネットワークで名前解決を提供するWindows Serverのサービスで、Windows Server2012時代の現代でも役割と機能の追加からWINSサーバを追加することは可能です。
過去の技術だ、使わない、などとここまで書いておりますが、冷静に考えてみるとsamba4ではsamba4winsが統合されていてsmb.confで「wins support = yes」としておくとNTLM経由の通信もよろしく処理してくれます。WINSに依存するサードパーティー製ソフトウェアも世の中にはいくつかあるので、Active Directoryを導入しているからといってWINSを完全に排除できるというわけではなかったですね。
分かりやすくファイル名で言えば、動的名前解決DNSの静的名前解決がhostsファイル、動的名前解決WINSの静的名前解決がlmhostsという住み分けです。つまりあなたが何らかの理由でlmhostsを使っているのであればWINSサーバは使う価値が(未だ)あるということです。

何に使う?

簡単に言えば、ルータを超えた向こう側(別セグメント)のコンピュータ名&IPアドレスのペアを入手するために用意するサーバです。というのもWindowsネットワークではブロードキャスト(NetBIOSのブロードキャスト)とマスターブラウザという方法で周囲(同一サブネット内)のPCについてはIPアドレスもコンピュータ名も収取してアクセスに利用できるのですが、ブロードキャストではサブネット外にパケットが飛びません。そこでブロードキャスト範囲外であるルータの向こう側のコンピュータ名&IPアドレスを入手するために、WINSサーバというサーバにネットワーク内の全PCのコンピュータ名&IPアドレスを収集しておいて、PCからの照会に応じるようにしておくことで、ブロードキャスト範囲に影響されずイントラネット上のコンピュータ名をWindowsネットワークとして参照することができるようにしています。

WINSサーバに設定は(ほぼ)ない

単独でWINSサーバを動作させる場合に、人間が設定することはなにもありません。有効になっていれば粛々とコンピュータ名&IPアドレスを収集し、黙々と動き続けてくれます。
強いて設定するとすれば複数のWINSサーバがある環境で複製パートナー設定をしておくくらいのものでしょうか。プッシュパートナー/プルパートナーを設定しておいてWINSデータベースの同期を取っておく、ということです。何も難しいことは無くて、ただパートナー設定画面で対抗のWINSサーバのIPアドレスを入力して複製パートナーとして登録する、というだけの設定です。

DNSと違ってWindowsネットワークの名前解決専門となるWINSではCNAMEなどのaliasも設定不可能で、必ずコンピュータ名(コンピュータに設定された実名)と実IPアドレスの紐づけがWINSデータベースに格納されます。このため、DNSと違って人間がアレコレ操作する、ということは全くありません。

何がいいたかったかというと

WINSの解説をするつもりはあまりありませんでした。
この記事で伝えたかったのはどちらかというと、休憩室とはいえ会社内で、しかも外部の人間がいるかもしれない場所にて、「あまりレベルの高くない発言を大声ですることに疑問」を持った、ということを言いたかったんです。
WINSはWindowsネットワークでは基本ですし、人間がやることがほぼないくらいとても簡単なテクノロジなのですが、それについて設定方法や使い方を大声で(しかも高圧的に)叫んでいると、聞く人が聞けば「この会社の技術者ダイジョブか?」と不安に思ったり不信感を植え付けたりしてしまうんじゃないか?と思ったものです。
新入社員研修の部屋で多少活発(闊達?)にやり取りをするのは、別に新入社員同士だということは周知の事実なのだから構わないと思うのですが、この発言をしている人が新入社員だということを知らない外部の人が聞いたら、会社の評価に関わってしまうように感じるですよね。

たとえ自社のオフィス内であっても発言やその場のノリってやつは場所を選んで自重しておいたほうがいいんじゃないかな、と思います。

まして、女子の気を引きたい/モテたい、ということなら、大声で恥ずかしい「WINSサーバ」についての発言で笑いを取ろうとするより、もうちょい他の方法で気を引けないもんかね。そのほうがいいよね、たぶん。

どっちにしろ自重しましょうか。
私も気を付けるようにします。