treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Windows10をDSP版で購入するときに気になるポイント

意外とDSP版のOSをユーザ企業が取り扱うときに注意する点は多いですよね。家庭の自作PCに対してDSP版OSを用意する、ということであればそれほどに考慮することは無いのですが、企業内では抑えておくポイントがあります。
本日はそんなときに備え、予習の意味も含めDSP版OSについてのいくつかのご報告です。

そもそもDSP版でなんですの?

ハードウェアをセットにすることを条件にした簡易パッケージのMicrosoftソフトウェアです。例えば、ちょっと古いのでは…
図:Windows7とOffice2010のDSP

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こんなの。見たことありませんか?
最近は、プロダクトキーが記載されたカードだけ(インストールメディア無)というのが流行りのようです。
図:Office2013のDSP

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この場合、注意書きにインストールメディア(DVD)がない旨、記載があります。
図:注意書きの部分アップ

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メディア付きはなくなってきて、これからはISOダウンロードして自分で焼かないといけないのかもしれません。

Windows10って無償じゃないの?

昨今、Windows10が無償でにぎわっていますが、今年で無償提供期間は終了しますので、それ以降は費用を要するようになります。つまり他のOSと同様に購入する必要があるわけです。
そんなわけでWindows 10 をDSP版で調達しようという方も今年の後半では出てきそうですね。今年の前半で無償アップグレード終了ですのでその後、あるいは無償アップグレードをしてしまったが、ハードウェアのスペックアップをしなきゃいけないケースではWindows10のライセンス購入をMicrosoftは要求しています。(故障交換はOKなんですけどね。なんでハードウェア増強の交換では購入、なのか私自身はさっぱり分からない。)

DSP版でWindows10を購入する、というシナリオは、Windows10を使い続ける以上はあり得る話だということです。

どのOSのDSP版を調達するか

どのOSを調達するか、によって使用許諾条件も変わりますし、なにより使えるOSの種類も(当然ですが)変わります。
いま購入可能なのは…

と三世代のx86x64の二種類で合計6つの選択肢から選ぶことになります。
Windows8.1の製品名にUpdate1とあるのは、SP1/SP2を示す「Update」の称号です。昔あったにアップグレード版OSパッケージを意味するわけではありません。
ひとまずどの世代を選ぶか、という決断をするために考慮するのは「ダウングレード権」です。

DSP版で提供されるライセンスにダウングレード権は付属するのであれば、Windows10を買っておいて、しばらくWindows8.1で利用する、ということも(ライセンス許諾上は)可能なのです。ちなみにWindows8リリース直後ではWindows7のダウングレード権が付与していたのですが、これはProfessional Editionに限ったダウングレード権でした。

結論:Windows10でもダウングレード権は提供されていた

※ただし、条件あり。
気になるダウングレード権はWindows10のDSP版でもProfessional Editionに限りあるようです。
つまりDSP Windows 10 pro 64bit/32bit 1pack DVD(製品型番:FQC-08914かFQC-06973Uとあるもの)を購入した場合、

をダウングレード権を行使し、使うことができます。(ライセンス数としてはWindows10が使用できるライセンスから拠出して下位OSを使うということです。)
ただ、注意する点があり、ダウングレードを実行する際にはダウングレード対象バージョンとなる8.1Pro/7Proのメディアとプロダクトキーが必要になります。つまり旧バージョンのメディアとプロダクトキーを保有しているユーザしかダウングレード権行使の対象ではないということです。(権利はあれど行使ができない、ということです。)
メディアとプロダクトキーがない場合にはWindows10DSP購入後に、アップグレードライセンスを購入(¥10,000~¥20,000くらい)して、DSPパッケージをオープンライセンス化してしまい、旧バージョンのメディア(とキー)をMicrosoftボリュームライセンスセンターというWebサイトから用立ててダウングレードする、ということになります。(でもそれなら最初からアップグレードライセンスを購入して、自身のOEMライセンスをアップグレードライセンスで好きなように使った方がよさそうではあります。)
つまり裏を返せば、Windows OSのライセンスを保有しており、それが有効期限内であるユーザはDSP版を1本(1L)購入するだけで追加費用なしでダウングレード権を行使することができる、というわけです。
※ちなみに個人でもオープンライセンスは購入可能です。(購入できるショップは限られていることと最低3ライセンス購入が必要なので多少ハードルは高いのですが)
つまりDSPを買うときに迷ったなら、
「オープンライセンスでOSを持っているなら、迷わず最新であるWindows10のDSP版を購入しときなさい。」
ということですね。

月並みですがDSP版の制限は健在です

Windows8DSP版は一部のニュースではハードウェアとの併売は廃止、という話を見かけましたが、Windows10のDSP版では何かしらのハードウェア製品と一緒に購入する必要があります。つまりWindows7までのDSP版購入時の縛りと同一に戻ったようです。(つまり単体販売はされていない、ということです。)
ハードウェアと一緒に購入ということで、管理する手間も考慮したうえで差し当たり思いつくのはSSDとメモリあたりですかね。自作がお得意でしたらマザーボードと一緒に(紐づけて)購入するとイイと思います。
つまり、紐づけて使わないといけないので、例えばSSDに紐づけた場合には、こんな感じです。
例:
PC-Aで使用しているWindows10DSPをPC-Bにインストールしたい場合には、PC-AでWindows10を削除するだけではなく、SSDもPC-Aから取り外して、PC-Bに取り付けないといけない、という縛りがあります。
一緒に購入したPCパーツによるわけですので、移植しない前提でマザーボードに紐づけるか、移植する前提でSSDに紐づけるか、というのはユーザの自由です。ただし購入時にこれを決めなければ購入できない、ということです。

※私はSSDDSP版OSを同時購入、というのがお勧めですけどね。なにしろ分かりやすいですから。玄人は別のパーツに紐づける方も多くいます。
玄人向けの話になってしまいますが、DSP版同時購入の一種の鉄板、USB FDDはWindows10でFDが使えなくなっちゃったのでなんだか微妙になったちゃいましたね。

Windows10のDSP版、購入をお考えの方はじっくり調べてみると新たな発見があるかもしれませんよ。