treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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古いPCがフリーズする理由の一つはCPUグリスかも

PCがフリーズする原因は様々ですが、そのうちの解消法の一つをご報告します。

今日の障害対応は古いPCでした。
環境は、
ThinkCentre S50(モデル名:8086-2HJ)
2005年1月に発売されたモデルで、もうかれこれ10年の歴史を経た機種です。
10年前の機種ですからCPUはIntel Pentium 4 3.00GHzの機種です。
この機器にWindows7をインストールして利用しています。いちおうメモリは最大2GBまで搭載できるので、CPUのパワーはやや弱いとはいえ軽作業であれば十分に動作しています。
ただ、DDR SDRAM PC3200規格のメモリなので、PC3200で1枚1GBのメモリは今ではそれほど安い買い物ではない点が多少難点ではありますが。

このPCのユーザから障害の報告がありました。

ユーザからヒアリングしてみます

「最近PCがよくフリーズします。」

フリーズですか。
いつから起きてるとか、何を実行したときとか、そういった傾向はありますか?

「さぁ…。」

ヒアリング失敗。
思い当たることは何もないそうです。検証しないとだめですなぁ。
しばらく、預かって使ってみたけど、普通に文書ファイルを触っている程度じゃぁフリーズしないんですよね。なんなんでしょ?

じゃあついでだからWindows Updateでもしてお返ししましょうか。

Windows Updateをやってみると…

フリーズした。

固まってるし、HDDのアクセスを示すLED表示も点灯なし。
これがそのフリーズか、フムフム。とはいえ、原因は何かがあまりつかめません。

古くてスペックが低いPCなので、Windows Updateでこうなったということは、CPU負荷が上がった時にフリーズするのではないか、とあたりをつけました。
と、いうのもこのPC、Pentium4ということもあって、Windows Update中はCPU使用率が100%あたりで張り付くこともしばしば、HDDアクセスランプも点灯しっぱなしで、なおかつCPUファンは全力回転になるのです。
最近のWindows Updateは相応のマシンパワーを必要としますので、古いPCには一種のストレステストに近い状態になります。この状態でフリーズするということはコンピュータが高負荷状態になった際にフリーズの症状が出る、という仮説が成り立つように思えます。

原因はCPUグリス?

熱暴走、ってやつかな、となんとなく思いました。先に書いたようにWindows Update中はCPU(ファン)が勢いよく回っていて轟音響かせていましたから、Windows Update中はCPUの使用率がかなり高いはずで、そのタイミングでフリーズしたということは、少なくともCPUの熱暴走を疑ってかかってもよさそうです。複合的な要因だった場合、再発はしますが少なくともCPUの熱暴走は要因の選択肢から消してよくなります。

熱暴走の原因としては、内部の埃蓄積による熱のこもりで高温になる、とかファンに埃が詰まりファンが放熱するべき熱量が放熱されていないとか、がさしあたって考えられる要因です。
と、いうのも以前別の機種で「最近調子が悪かったんだけど、とうとう起動しなくなった。」と言われたPCを開けてみたところの内部が埃だらけになっていて、肝心のCPUファンには埃が積もりに積もり、ということがありました。
そのときはエアダスターで埃を除去してファン(の羽の部分)を取り外してたまった埃を拭き掃除で拭き取ったところで、再度PCを起動すると何事もなかったかのように起動する、ということがあったので、今回もこれかな?と思ったものです。

早速CPUのファンを取り外して確認してみました。
ファンに埃が詰まっている、のは古いPCであればある程度は当然ですね。エアダスターなどでファンの隙間に詰まった埃を除きます。
ファンを確認したのちグリスの具合を確認した時に違和感が…

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固まってる?
CPU側もちょっと見てみます。

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たぶん固まっている…。

グリスって油ですから多少緩いはずなのですが、なんというかこう固まっている感じなのです。豚汁を一晩冷蔵庫に入れておいたらラードが上に固まるんですが、あの固まったラード油ぐらいの感じです。
グリスって固まっててイイんだっけ?いやよくないよな、ということでグリスを塗りなおしておくことにしました。
埃が詰まっているより、どっちかというとグリスが放熱の助けになっていないのが原因なんじゃないか?と思えてきました。

付け直しましょう

CPUの上部中心に小さくグリスを置いて、CPUクーラーでグッと押し込みます。
取り付けた後は一度ぐりぐりしたCPUクーラーを持ち上げてうまく塗れているかどうかを状態確認します。
本当はデキを写真に撮っておけばよかったんですが、写真を撮り損ねてしまいました。でも写真撮りなおすためだけに再度CPUクーラー取り外すのもちょっとなぁ…ってことで。

付け直し後

CPUグリスを塗りなおして、数週間程度様子見となりましたが、特にフリーズの被害報告はないようです。
フリーズが直った、という明確な話は聞かないものの、特に何も言ってこないから無事使えているんだろうな、と判断して対処完了です。

CPUグリスをなめちゃいけない(いろんな意味で)

おあとがよろしいようで。