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treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

トラブルシューティングのノウハウを一つ

今日はトラブルシューティングについてご報告します。

トラブルシューティングは知識を基盤にした経験と勘と運をフル稼働させる業務の一つです。

前回の記事で「ノートンIDセーフをFireFoxで使う方法 - treedown’s Report」という記事を掲載しましたが、まさにこれ"トラブルシューティング"です。

トラブルシューティングをするときにまず探さなければならないのは、問題点です。その問題点は別の言葉で言い換えると、「障害直前に発生した変更点/変更作業を探す」とも言えます。
ITILなどで構成管理/変更管理/インシデント管理、と状態の記録をいちいち要求するのは、このトラブルを追跡するためには変更点の追跡をする必要があるから、というのが主な理由だと解釈しています。
以前の記事ではFirefoxとNortonIDSafeの双方が高速リリースサイクルによる頻繁なバージョンアップによって動作しなくなってしまう、という症状に陥ることになりました。
トラブルは複合的であることが多いので、あれとこれの相関関係がどうなっているかとか、どちらがどれくらいの頻度で更新されて変更が発生したか、という点を把握しておく必要があります。
ですが、高速リリースサイクルに掛かればこのような変化は変更点が多すぎて把握しきれません。これが一つの罠に陥る要因です。

枯れた技術を使うと何かが変わる?

突然ですがここで一点、枯れた技術を使うメリットの一つとして、このトラブルシューティングをしやすくするという点があります。
枯れた技術、というのは以前の記事でも記載しましたが「使われているテクノロジが誕生してから改善を重ねてもう改善できないくらいの境地に達しているほどに古い技術」といったところです。つまり古いってことです。

なんで枯れた技術を使うとトラブルシューティングのメリットが出るかというと、「変更点がないから」です。

この間のFirefoxノートンIDセーフの両者は両方が高速リリースサイクルによって頻度の高い更新が重ねられています。なので、両方に変更点が多く原因として考慮するポイントが多すぎて、問題が補足できないのです。
一方の別の回でやっていたThinkVantage PasswordManagerとFirefoxの両者ではPasswordManager側は変更点がないので、いままで動作していたものが動作しなくなればFirefoxに要因がある、ということは明らかで、問題点はすぐに絞り込めます。

ここで言うところのPasswordManagerが枯れた技術である、ということです。
枯れた技術であれば、更新が少ない=変更点が少ない、という公式が当てはまり、変更前に動作していた状態から動作しなくなった状態との相違点を絞り込む作業を省力化できるわけです。
問題の切り分けが楽になる、ということですね。トラブルシューティングの基本はまず問題の切り分けです。

でも枯れた技術は…

枯れた技術を使うことを推奨しているわけではないのでご注意ください。
枯れた技術は変更されることが少ないので、新たなセキュリティ上の脅威が発見されたとしても対処されないことが多くあります。そうなると、セキュリティ上の配慮からその技術は使えないことにつながっていきます。
また、ハードウェアなどであれば、「実際にメンテナンスできる人がこの世の中に居なくなる」という問題もあります。例えばPBXなんかはいい例です。
古いPBXを使っていれば、PBXを更改するよりも投資額は抑えることができますが、保守メンテナンス料はそれなりに掛かります。でそれなりの保守料を支払ってずーっと使っていると、徐々に市場にはその古いPBXをメンテナンスできる会社、あるいはその会社内の技術者が居なくなっていくことになります。
最終的には(実体験をもとにすると)そのPBXは日本国内で2社しかメンテナンスできる会社がない、というところまで使い倒しました。そこまで使えば十分なのですが、ある意味でPBXが停止するタイミングでその2社とコンタクトが取れなくなっていれば、会社内の電話はすべてストップするにもかかわらず、修理のめどは全く立たない、とおよそ会社としては失格、という状況になります。(電話がつながらない会社と一緒に仕事したいと思いませんよね。)

企業にとって枯れた技術はお金にならない、という側面があります。なので枯れた技術を使うためにはそれをメンテナンスできるような体制を整えることができるかどうかが重要です。

月並みですが、バランスですよね

枯れた技術を使う、というのは(何事でもそうなんですが)メリットもリスクもあります。
で、

  • リスクを取ってでもコストを抑えるために使うを選択するか
  • 問題があれば難関となってでも、リスクを低減するか

というのは、極端なふり幅にならないようにうまいバランスで社内にサービスデリバリーするのが優秀なシステム部門です。

枯れた技術も最新鋭の技術も、うまく使えば大きくメリットを享受できますし、変に使えばデメリットが強調されてしまいます。
うまく枯れた技術と最新鋭の技術のメリットを最大限引き出せるように腕を揮っていただきたいものです。