treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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もらったAPで分かった、古いAPの足切り基準(2/3)

昨日の続きです。

  1. 無線LAN規格(IEEE802.11a(W52/W53)/an/b/g)と同時利用可不可
  2. 無線LAN暗号化設定にWPA2-PSK(AES)が選択可能かどうか
  3. 通信速度(ac=1Gbpsぐらい、anやgn=72Mbps-600Mbps、a/g=54Mbps)
  4. 有線LAN部分の通信速度(ギガ=1Gbpsか100Mbpsか)
  5. 推奨される無線子機の接続台数
  6. マルチSSID複数SSID同時利用)
  7. 不要な機能をOFFにできること

昨日までで、この項番(2)までを解説しました。

3.通信速度(ac=1300Mbps、anやgn=54Mbps超え-450Mbps、a/g=54Mbps)

通信速度が速いのがいいのは誰でもそうです。あまり高望みするとタイトルにある「古いAPの購入基準」にそぐわない内容になりそうなので、あまりこだわらないほうがいいよ、という結論になってしまいますが。
とにかく54Mbpsではちょっと遅い、と感じるかもしれません。なので、an/gnで400Mbps程度の速度があればいいとは思います。
イイとは思います、というのは、いくらan/gnで規格上の速度アップをしたとしても、電波状況が悪ければ(電波干渉があれば)速度は台無しなほど低下します。
カタログスペック上の速度の前に、利用している環境の電波干渉・電波状況を良く知り、極力電波干渉が起こらないようにしてやる方が優先順位は上です。電波状況が悪いほどに認識する無線LAN速度は低下します。
例えば、gn電波で400Mbpsの製品を使ったとしても電波状況が悪くて実際に通信する子機(PCやスマホ)では100Mbps/54Mbps/24Mbps/11Mbpsと電波状況によって段階的に認識する速度が低下していく傾向にあります。Windowsのncpa.cplで起動してWiFi(ワイヤレスネットワーク接続)をダブルクリックすると「速度」というところで見れます。
結局電波環境が悪いから速度低下してカタログスペックの最高速が出せない、ということになってしまうので、それなら54Mbpsで電波干渉が少ない(5GHzの)aを割り切って使う、というのも一つの考え方です。きょうび54Mbpsの(5GHzの)a電波限定の無線APならそれほどの費用も掛からないでしょうし。

4.有線LAN部分の通信速度(ギガ=1Gbpsか100Mbpsか)

通信速度の話が続きます。
こっちの話は、有線LAN、つまり無線LAN親機であるAPに接続するLANケーブル部分(RJ-45側)の通信速度です。
イマドキの無線APはギガビットイーサであることが多いですが、古いAPの場合には、ファストイーサ(100Mbps)であることも多いです。
無線LANの接続台数にも依りますが、最低でも54Mbpsで接続する無線LAN子機の通信を捌くために、その裏側の有線LANの帯域は同時に通信するデバイス同士で分け合うことになります。ファストイーサ(100Mbps)だった場合、100Mbpsを分け合うので54Mbpsで接続してくる無線デバイス×2台が同時通信することで100Mbpsを使い切ってしまいます。
これはあまりおいしくないので、バックの有線LANの帯域はギガビットイーサが選択できるのであれば1Gbpsにしておくに越したことはない、ということです。
裏を返せば同時に通信するデバイスが2台以内で、かつその2台は54Mbps程度の通信で良いのであれば、有線LANの速度は100Mbpsでもそれほど問題にはならない、と言えます。

5.推奨される無線子機の接続台数

意外と盲点になりますが、無線LAN親機の説明のなかで推奨接続台数という目安が公開されていることが多いです。
家庭用の機器であれば、5・6台くらいが一般的のようです。多くても10台以内、という製品が一般的です。
と、なると…
意外と無線LANを要求するデバイスは家庭内でも多いものです。
家族全員分のPC、家族全員分のスマホ⇒同時に使わないとしても標準的な4人家族であればこれで4台同時使用になります。
どの家庭にもテレビはあると思います。またレコーダーとテレビは1セットで利用することは多いのではないでしょうか?最近はDLNAが普及しているのでテレビ&レコーダは無線LAN経由で通信することが多くなっています。たとえばスマホDLNA経由でLAN内のコンテンツを閲覧すると無線LANとしては2接続、帯域を54Mbps×2=100Mbps使い切ってしまいます。⇒これで+1・2台
PS3/PS4やWiiUなどのゲーム機も無線通信をしています。わざわざ追加料金を出して有線LANアダプタを購入しているなら話は別ですが、普通の家庭では内蔵の無線LANを使いますよね。⇒PSとWiiUの分を考えても+2台
※ちなみに私は追加料金出して有線LANアダプタを追加しています。

この時点でもう無線LANを使用するデバイスは8台になります。もうちょっとデバイスを追加するともう10台がみえてきます。タブレットとかChromeCastとか。
10台以下で使用することが推奨されているのですが、無情にも無線LANを要するデバイスは増加傾向にあるという現実…。
で、気が付けば無線LANで通信する機器が10台を超えていて、「最近、無線の調子悪いな~」と思っていたら実は同時接続数が10台を超えていたということは結構起こり得る話です。
家庭用の無線APは6台以下推奨、という機器も多いのですが、前述の4人家族の例で言えば8台の無線LANを要するデバイスが存在しているので、デバイスがフル稼働することで家庭用の無線AP推奨接続台数の6台は簡単に超えてしまっています。

と、このように、ご自身の家庭内の無線LANに接続されるデバイスを一度棚卸して、いま利用している無線APの推奨接続台数を超えてないか確認されることをお勧めします。推奨接続台数を元に考えると、買い替えではなくて無線LAN親機をLAN内に追加にしたほうがいいかもしれません。

■予定外でしたが…
長くなってしまったので、明日に続きます。