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treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

自分の主張が受け入れられないときにどうするか

前回(逆転通達 - treedown’s Report)は現場から見るとピントがずれた指示を修正するために自分の主張を容れてもらえた事例をご紹介しました。

でも実際にはうまくいくことは少なくて、むしろ自分の主張が受け入れられないことの方が回数としては多いと思います。

この場合どうしましょうか?
まずは以下のポイントを把握しておくと役に立つと思います。

  1. 相手の主張と決断をよく聴くこと。
  2. 自分の主張を毅然とすること。
  3. 最終的にケンカ別れせず、相手が折れなければ自分が折れること。

この3点です。

前提条件としてお互いは冷静な時に意見を交わすべきです。
冷静でないと途中から論点がズレてただの口喧嘩になります。
例えば全体会議で議論した状況が冷静でなくなってきたのであればいったん引いて時間を置く(クールダウン)、後日2人で論点がズレないよう話したほうが良い結果になる傾向があります。

これを踏まえまして。
まず自分の主張はしなければなりません。
先か後かはその時の流れで。
前回の事例にあるように相手が先に自分の主張を聞く態度になっておりそれを促してくれているのであれば先に主張を展開することは構いませんし、相手が話の長いタイプであればなおさら(時間を相手の主張だけで使い込まれないよう)機先を制して自分の主張だけは相手に届けておきます。
概ね、主張を聞いた後から持論を展開したほうがもっともらしく聞こえることが多いため、相手の主張がコンパクトにまとまるのであれば自分の主張は後出しのほうが得に思えます。
自分の主張を届けることより重要なのが相手の主張とその決断をよく聴くことです。特に決断に至った経緯を聴くのは大切です。
ちなみに「聞く」と「聴く」は揺らぎではありません。「聴く」となっている箇所は身を入れて心も含め"傾聴"するということです。
自分がこの人と同じ立場・状況だったらどう決断していたか?と考えながら聴くのもいいです。
どうあっても自分の主張は通らず逆転不可能なことはあります。その時に、
「とにかく私は言った(忠告した)からな。」とか、
「あとでどうなっても知らないぞ。」とか
あまつさえ感情的になって激昂してしまうとか、
まあよく見かける主張のドツキ合いでケンカ別れしてしまうパターンです。これは絶対NGです。
欧米だとケンカしているかのようなディベートが繰り広げられますが、日本ではケンカしているように見える会議は実際にケンカしています。残念ながらここは欧米ではないのですね。
ただ、欧米と違って日本ではいったん折れてもいいと考えています。つまり相手が主張を譲る気がなく話が平行線になるのであれば"納得はせずとも自分がいったん折れておく"これでいいと思います。
ただし「私は主張をしたが、それと異なる貴方の主張を受け入れた。」ということを明確にしておきましょう。
ここに「反対意見だった彼は私の意見を受け入れた。」という事実が生まれます。これ重要です。
意見を押し通した側からすれば、(未来が予知できない以上は)それが100%正しいかどうか分かりません。また、日本的な通常の相手であれば自分の意見を押し通したことに対する負い目を感じることになります。未来にその主張が誤っていた、ということが判明すればなおさら彼は負い目を感じてしまうでしょう。
中には感じない厚顔無恥もいますが、そういうのは主張のドツキ合いの勝ち負けにしか価値を感じてない人間です。主張を交わすだけ無駄ですので最初に見極めましょう。
さて、負い目を感じた相手はどうなっていくでしょうか?
これが不思議なことに別の用件の話であってもこちらの主張に耳を傾けるようになります。ギブ&テイクの考え方で以前主張を曲げたから今回は聞いておいてやるか、という思考になることが多いです。
そして「彼は以前こちらの主張を受け入れた。」という意識があれば、別の件で意見を交わすことがあったとき自然と受け入れられ易くなっています。もっと言えば、別件でまた主張し合うようになった場合でも、以前より食い下がると「この意見はもっと重要なことを彼は主張しているのかもしれない。」と思い始める可能性が高いです。そうなればしめたものです。
聞く本人の利害関係が薄ければなおさらのこと、賛同を得ることができる可能性が高く貴方側の主張に寄ってくれることが多いです。

主張を交わすにあたり、相手は短期的に自分の主張が受け入れられたかどうか、ということに意識が向いていることが多いです。だから自分の感情や感覚には目が行かない。まして自分の主張が受け入れられた、と思えた瞬間には安心だけが心を支配しているわけです。
折れる側からすれば受け入れられない主張かもしれませんが、ただ折れるだけではなく相手の思考を利用し長期的に自分の主張が受け入れられ易い基盤づくりに徹することによって、未来の自分が有利になるような布石を打つことはできます。

日本人はディベートが苦手、という話をどこかで聞いたことがあります。
日本的な会議では根回しが既に済んでおり、会議は全体で合意したという事実だけを形だけ形成するための時間として使う文化だから会議開始前に会議の議題について議論が済まされている状態で会議を迎えないと結論に到達できない。
世の中ではこれを是とする人も非とする人もいまして、人によってどのように応対すべきか、というのは変わるのが常なのは間違いないです。(だから、ここに書いてあることだけ実行しても足りないですよ、ということにもなりますが。)

でも、自分の主張を集団が受け入れる環境というのは一朝一夕では形成できなくて、日々のコミュニケーションの積み重ねです。
日本的会議の進め方が好ましいか、欧米の議論をし尽す会議が好ましいか、これは主体によって180度変わるところですから、会議のキーパーソンが誰なのか、これをきっちり見極めないと的外れな動きになりますよね。

貴方の会議が成功することをお祈りします。