treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ネットブックとは何だったのか考えてみた。

今日は思ったことがあってネットブックについて考えてみようと思います。

ネットブック
聞いたことがある人は2000年代後半から2010年くらいまででパソコン買おうかな、と思った人が選択肢として検討したPCの一種類だと思います。
何それ?な人は既にスマホタブレットが普及していて、ネットブックなんて既に死語になっていたと思われます。

ちっちゃいのからおっきいのまで、とにかくロースペックを安くという狙いのパソコンがネットブックです。
インターネット上のWebサーフィンをする程度の使い方を割り切った値段で入手できるPC、として人気を博しました。
でもいま、ネットブックと呼ばれる商品は全く見かけません。どこいっちゃんたんでしょうね。

おそらくネットブックは進化の途上にあったPCの一種の進化系だったのです。
ネットブックは2種類の商品に進化したため、その役目を終え敢えてネットブックというカテゴリの新商品は作られなくなった、と考えられます。

その進化は2種類あります。

  1. タブレットスマホ
  2. UltraBook

ネットブックは安価なお手軽PCであり、スペックが不要でモバイル性能が必要なユーザがスマホにステップアップしていった。
ネットブックは安価で持ち運びの利便性が非常に高かったが従来のモバイルPCに比べ性能が劣っていた、ネットブックの使い勝手そのままに性能を求めたユーザはUltraBookにステップアップしていった。

つまり今のスマホが当たり前の生活のきっかけの一翼を担ってくれたのはネットブックブームだったのではないか?という説を唱えたいわけです。

携帯電話キャリアスマホを販売する形態だから携帯電話の延長(もしくは携帯電話のレベルアップ)という立ち位置に見えますが、正直言ってスマホは通信内蔵の低スペックパソコンです。

そう考えた理由は以下の特徴からです。

  1. スマホは携帯電話に比べ電池が持たない。モバイルブースター必須で定石。電源関連の使い勝手は携帯電話よりPCに近い。
  2. スマホはアプリインストールによって使い方自由自在。その自由度・使い勝手はPCに近い。
  3. 新型スマホより旧式フィーチャーフォンのほうが電話として使いやすく電話の声が聞き取りやすい。


やっぱりスマホタブレット)はパソコンベースです。パソコンより省電力でバッテリのもちがよいパソコンです。
今ではリモートデスクトップもOfficeも使えて、キーボードがあればモバイルPCの機能もこなせますし、SkypeIP電話で音声チャットもこなせるようになっています。
スバラシイ世の中です。でもやっぱり電話は携帯電話でなければ不安でしょうがないです。
なぜかと申しますと…
アプリの状況やバージョンによっては電池が激減します。バッテリマネジメントができていないと一日の途中で電池切れです。しかもアプリによっては知らないうちに電池食いになるようになってて気づいたときには電池が既に取り返しがつかないくらいなくなっています。
と、まあこのように、バッテリマネジメントで電池切れに備える、というアクションを取らなきゃいけない。一日でバッテリの心配をしなきゃいけないのはPCと同格です。携帯電話ではそんなことはまずないのですがスマホはそれが常識のようです。
仕事上、大事だと思われる用件は電話で受けることが多いです。電話を掛ける側が大事かなと思った時点で「やっぱ電話しておくべきだよね。」という感覚になるからです。少なくとも私の身の回りには多い。年代が上の方であればなおさらこの傾向が強いです。
で、私の仕事上、電話を取りもらすわけにはいかないので、やっぱりスマホは携帯電話の代わりにはなってくれないわけです。(老害とかレガシーとか非難が聞こえてくるかもしれませんが、こればっかりはゆずれません。)
でもPCのデータを簡単・手軽に閲覧するためのビューアとしてスマホタブレット)は他の追随を許さない存在感があります。過去にPalmCLIEを愛用していましたが、その感覚に近いものがあります。更に緊急時に使えるリモートデスクトップVNCのリモート操作アプリが以前のPDAを超えた利便性を提供してくれます。

閑話休題
本筋とは関係ありませんが、Microsoft純正のリモートデスクトップアプリが「RD Client」なのに有料のリモートデスクトップ互換アプリ(Xtralogic,INC.)が「Remote Desktop」と正式名称なのはなぜなんでしょ?不思議。両方持っていますが「Remote Desktop」(Xtralogic,INC.)の方が安定していて動作も良好です。有料だけのことはあります。※ちなみにそれほど使用頻度は高くないのにRealVNC(純正)アプリも購入してしまいました。いつかきっと役に立つはずです。

で、まあ電話の話に戻りますと、やっぱ電話は電池がもってハードウェアキー(プッシュボタン)で操作ができる、紛失防止のためにネックストラップで一日ぶら下げていても許せる重さ大きさのデバイスが一番使い勝手がよい、という結論です。
で、さらにネットブックの話に戻りますと、鞄に入れていたのがポケットに入るサイズに変わったとはいえ、このネットブックの使い勝手とスマホタブレット)の使い勝手、というのは個人的にそう大きくは変わらなくて、似通った感覚で扱うことになっています。
メールやネットサーフィン、+αくらいがネットブックのスペックに見合う道具としての"身の丈"でした。いまはこれがスマホタブレットに取って代わられた感があり、ネットブックは販売されなくなっています。
ネットブック、ほんとにすごいブームでした。どの量販店でもパソコン売り場はネットブックが中心で、性能が足りない、という人だけ通常PCがおすすめされる、という感がありました。
ネットブックが流行るから通常のPCよりネットブックに力をいれるメーカも増えるのです。当時ネットブックで素敵だと思ったのがVAIO Type X(VPCX119KJ/Bなど)です。フルフラット13.9mm(私の価値観ではノートPCは薄いほど素敵であり素晴らしい。)という驚異の薄さでこれならかなり持ち歩いても荷物重くないよね!と自分で自分を盛り上がらせたものです。
そんな物欲を留めたのは冷静な自分でした。
ThinkPad X40とメモリとディスク容量は変わらない。CPUがPentium MAtomでどれくらい違いがあるかは不明だがメモリもストレージもそれほど変わらない。しかもX40すらそんなに持ち歩いていないじゃないか。で、だTrackPointが付いていない。VAIO Type PならTrackPointが付いている。待つんだ。ネットブックはブームだからちょっと待てばいつかきっとTrackPoint付きのVAIO Type Xがリリースされる。”
私の物欲はこうして抑えられました。
が、結局Type Xのスティックポインタ付きのモデルはリリースされることなく、ネットブックのブームは終焉を迎えてしまいました。
せめて物欲を満たすためにThinkPad X40SSD換装したのはいい思い出です。

今となってはVAIOもご存知の通りとなっていますが、ネットブックはキーボードと組み合わせたタブレットで安価なロースペック狙いの顧客をカバーし、UltraBookでハイスペックを要求されるビジネスの顧客をつかんでいます。
こう考えると、ネットブック、廃れたとはいえPCの歴史上では貴重な1ページを彩った1つのジャンルだったといえます。